「あれ、もう30?」
当時30代前半だった自分は、まず、このタイトルの言葉に目が止まりました。上手いですね。この「あれ、もう30?」って自分が30代だったとしたら、思わず目が止まりません? 僕もそんな一人でした(^^ゞ (まんまと著者の罠にハマったかな…)
人それぞれで事情はありますが、30代ともなれば世間的には、本来描いていた理想の自分と現実の自分とのギャップに悩む時期だと思います。そこで「まぁ、現実はこんなもんだ」とデキナイ自分を受け入れたままにするか、「オレはまだまだヤレる!」と受け入れ、では今から何をすべきなのか?と考えるかで、まだまだやり直しが効く年齢です。
僕自身、プロフィールにも記載しているように、30代前半の頃の状況は酷いものでした。ただ、「オラ、やったる!」と税理士を目指すことを決意した当時の自分にとって、本書はとても気付きの多い内容でした。
「どう考えるか?」だけでなく「どう動くか?」の行動の指針が与えられていて真似がしやすい
ホント、つくづく自分は無知だと思うのですが、著者の午堂登紀雄さん、著書も多くかなり有名な方なんですよね。
本書はタイトルからすると、「じゃぁ、どうやって結果をだせばいいの?」とテクニック面を重視しているかのようにも取れますが、実際には、最後の「おわりに」の部分で書かれているのですが、午堂さんが思う「考え方」をメインテーマにされたようです。
大きな柱としては、下記の三部構成。
「会社編」オフィス、上司、会議、居酒屋
「仕事編」仕事、日常、じぶんち、交流会
「じぶん編」心
ある事例に対して「どう考えるか?」と共に「どう動くか?」と行動の指針も与えられているため、具体的な行動を真似やすく、また、取り上げられているトピックも我々の身近に起こっていることが多いので参考になる点が多いと思います。
例えば、下記のように構成になっている文章が多いです。
・仕事をゲーム化する(「会社編」オフィス)
仕事は最初から面白さが備わっているのではない
↓(発想を変えよう!)
「どうやったら面白いゲームに変換できるか?」
↓(そうすると?)
地味で単調な仕事の中にも、学べるものはある。考えながら取り組むと、驚くほど学べる。
個人的にひっかかった主な項目は以下通りです。
- 「社内ランキング1位」になろう
→トップと2番目では知名度で格段の差がある。小さくても何かの分野でナンバーワンになることが大事。 - 上司を乗りこなそう
→「上司はデキる人」という先入観は捨てる。上司が持つ威厳、威光、人脈、能力は自分の仕事をうまく進めるために利用すべき資源。 - ウェルカム、プレッシャー
→苦労をしたことが無い人はスマートに見えるが薄っぺらい。人が成長するのは修羅場の経験。だから、そういう経験は買って出る。 - 中途半端な努力が、残念な人を生む
→TYが信条。TYとは【とりあえずやってみる】と【徹底的にやる】。中途半端な努力からは、中途半端な結果しか生まれない。 - 深堀り仕事術
→「仕事に慣れた」というのはその仕事がルーチンワークだから。つまり誰でも出来る仕事。自分の範囲内でのみ仕事をすると競争力につながる力は蓄積されない。30代は周辺業務を深堀りし、意識して時間を作って学ぶ、取り組みが必要。 - 時短革命
→自分の動きのすべてを加速させて生活することになれると、自然と速い行動で物事を処理できる。ランチを30分から10分で!朝起きてから15分で家をでる、など。 - 「脱・いい子」宣言
→批判されることは大きな価値がある。どの世界でも常識破りのこと、前例のないことには摩擦や批判が起こる。だから、賛否両論が起これば、自分の発言の存在価値があるということ。 - かわいい男になろう
→素直さが成長の厳選。素直でない人はまず批判・否定から入る。逆に素直な人は、教わったことを疑わず、まずやってみる。ここでの素直さとは従順という意味ではなく、「受け入れる」力を持っている人のこと!
スタートは遅くても実行・継続すれば地味でも変われる。何もしなければ…
意外と当たり前のことばっかり!と思われるかもしれませんが、少なくとも当時の自分に関して言えば、こういうことを知らなかった、もしくは知っていても実行しなかった、から「その当時の自分」だったのだと思います。
本書の内容をすべて実行できたわけではありません。例えば、上記の例でも「上司をのりこなそう」とか「『脱・いい子』宣言」などは、自分にはうまくできませんでした。
ただ、そのまま放っておくのではなく、「上司をのこなそう」については、やっぱり自分にはうまくできない!⇒上司とうまく付き合ったり、利用したりとかあってないから、独立しかない!と実際に独立するきっかけにもなりましたし、「『脱・いい子』宣言」については、うまくできなくて避けてきたけど、独立したら自分の発信していかないとお客様に選んでもらえないから、苦手ではあるけど意識して自分を発信するようにブログを再開してみたり、と今でも結構行動を起こす手助けになってくれていたりします。
印象的な文章が「おわりに」にて、こう書かれています。
「すぐに結果がでます」という誘惑には負けない。今は周囲から遅れをとっていると焦っても、ガマンしてしっかり基礎工事をする。
そうして高い建物を建てたなら、見える景色がまったく変わります。
本書に出会ってから早10年以上。見える景色がまったく変わったかどうかは正直わかりませんが、振り返ってみると、それなりに人は変われるもんだ、と実感はしています。ちょっと「地味」ではあるけれど、自分の場合(笑)