融資を申し込む「いいタイミング」ってあるの?

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必要な時期に、必要な金額の融資を受けることができればベストだけど…

どんぶり勘定で経営をしていたとしても、社長の頭の中では、業績・資金繰りの良し悪しは、なんとなくは把握されていることでしょう。

ただ、どんぶり勘定では、社長の主観・願望がはいって経営判断を見誤ってしまうかもしれませんし、特に、資金繰り管理に関しては、異変に気づいたときには手遅れ、最悪の事態(倒産)にもなりなねません。

中小企業は資金調達の手段は、ほぼ金融機関からの融資に限られています。

そのため、必要なタイミングで必要な金額を金融機関から融資を受けることができればよいのですか、必ずしも借り手の都合で、融資が受けられるわけではありません。

では、どのタイミングで融資を申し込むのがよいのでしょうか?

金融機関からの評価を意識した「いいタイミング」

金融機関は融資の申込を受けると、その会社が融資した金額を返済することができるかどうかを当然気にします。

返済原資は、決算書の数字を使って簡易的に計算することができます。

簡易キャッシュフロー = 税引後利益+減価償却費

つまり、基本的に黒字のほうが返済原資があると判断され融資を受けやすい、反対に、赤字の場合、返済原資がないと判断され融資を受けにくい、ということになります。

仮に業績が好調で、預金残高も増加していると、今は、融資なんて必要がないと強気になるかもしれません。しかし、それは必ずしも好手ではありません。好調な業績が続く補償はどこにもありません。近年のコロナ禍の影響がいい例で、企業努力だけではどうしようもないこともあります。

そんな時にものを言うのが「お金」です。

目安として、月商の6倍以上の現金預金があれば、あえて新規で融資を検討しなくても良いかもしれませんが、少なくとも現金預金が月商の3倍に達するまでは、黒字のときこそ、融資を申し込んで預金残高を積み増す「いいタイミング」です。

金融機関の担当者を考慮した「いいタイミング」

融資をする、しないを決定するのは金融機関なので、金融機関の都合も知っておくと役に立ちます。

金融機関も会社、そこに勤める職員も会社員なので、業績は気になるところです。金融機関の決算は3月、中間決算は9月であるため、この時期が近づくと、金融機関の職員は自身のノルマを達成を目指し融資残高を増やしたいと考えます。

そのため、この時期に金融機関から営業を受けた場合、それこそ「借りて欲しい!」ということですので、多少、融資額や金利面での希望が合わなかったとしても、借入の実績は作れますし、融資を受けるタイミングとしては悪くないです。

また、営業を受けなかったとしても、この時期は比較的、融資を受けやすい(=審査に通りやすい)と言えますので、進行期の業績が振るず、決算の予測数値があまり芳しくない場合には、この時期を狙って、こちらから融資を申し込む「いいタイミング」です。

ただし、審査にかかる時間も考慮して、本決算、中間決算のそれぞれ1ヶ月前である、2月または8月にはアプローチをかけたほうがよいでしょう。

提出書類を準備する手間を考慮した「いいタイミング」

融資の申込の際には、さまざまな書類の提出が求められます。

そのうち代表的なものが決算書ですが、融資の申込時期が決算から数ヶ月経過していると試算表の提出も求められます。

これは、直近の状況も確認する必要があるためです。その際、試算表をすぐ提出できればいいのですが、世の中、そんな会社ばかりではありません。

四半期ごと、半期にごと、または不定期に試算表を作成している会社の場合、いざ、試算表の提出が求めても、すぐ提出できません。そうなると、金融機関からは、この会社は適当な会社だと思われ、評価を落としてしまいます。

もちろん、融資うんぬんを抜きにして、試算表は毎月作成して確認すべきなのです。

ただ、社内の管理体制の都合上などで現状はそうもいかないのであれば、決算が確定した際に融資を申し込むことにより、試算表の提出の手間が省けるので、決算確定時は融資を申し込む「いいタイミング」です。

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