まずは「保証付融資」、目指すべきは「プロパー融資」

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民間の金融機関は「リスクは避けたい」のが本音

民間の金融機関へ融資を申し込もうと調べてみると「プロパー融資」「保証付融資」なる言葉がでてきますよね。

なにやら難しそうな言葉で嫌になりそうですが、まず、ざっくりと押さえておくと

  • プロパー融資 → 保証協会による保証がなく、各金融機関が独自に行う融資
  • 保証付融資 → 保証協会による保証があったうえで、各金融機関が行う融資

ということになります。

日本の多くの中小企業は、財務基盤があまり強くありません。そのため、金融機関が独自に行う融資であるプロパー融資の場合、融資先の企業・事業主が返済ができない状態になったら、金融機関は、その損失をモロに被ることになります。

だからといって、金融機関がそのリスクを避けるため「この企業・事業主は絶対だいじょうぶ!」というところにしか融資をしなくなってしまっては、多くの中小企業・事業主は資金調達ができず困ってしまいます。

そこで保証付融資の登場です。

まずはお世話になる「保証付融資」について知っておこう!

保証付融資とは、全国各地にある信用保証協会が、金融機関から資金調達をする際、借主である会社・事業主の保証人となり、返済が滞った場合には、信用保証協会が、会社・事業主の代わりに金融機関に対し、返済を「立替払い」をしてくれる仕組みになっている融資のことをいいます。

あくまで「立替払い」なので、借入金がチャラになるわけではありません。信用保証協会が弁済をしてくれたお金については、今度は、信用保証協会へ返済することになります。

銀行にとっては、信用保証協会の保証がついていれば、リスクを軽減できるため、中小企業へも融資がしやすくなるためメリットしかありません。よって、金融機関は当然「プロパー融資」よりも「保証付融資」を求めます。

会社・事業主としても、信用保証協会に対して信用保証料を支払う必要があるものの、プロパーでは難しい状況でも、保証協会の保証が付くことにより融資を受けることができる可能性が高くなるので「保証付融資」の利用はメリットがあるといえます。

なお、この信用保証料は、会社の経営状態による区分と、責任共有制度の対象又は対象外かによって決められています。

責任共有制度とは、「金融機関」と「保証協会」が融資に当たっての責任を共有するということです。2007年の制度導入後は、一部を除き、保証割合が協会80%、銀行20%となっています。
つまり、現状は、銀行も万が一の事態があれば、20%分の貸倒リスクがあるため、「責任共有制度」導入前の保証割合が協会100%だった頃と比較すると、保証付融資についても審査は厳しくなっています。

いずれは目指したい「プロパー融資」についても知っておこう!

保証付融資は、財務及び信用の基盤があまり強くない中小企業・事業主にとっては、非常に助かる仕組みです。

ただし、当然、デメリットがあります。

  • 信用保証料を支払う必要がある
  • 保証枠に限度がある(普通2億、無担保8,000万など)
  • 保証協会を通すため、融資申込から実行まで時間がかかることがある

だからといって「じゃあ、プロパーでお願いします!」と金融機関に伝えれば「はい、わかりました!」と簡単にOKをもらえることはありません。

前述のとおり、金融機関の立場からすれば、プロパー融資はリスクが跳ね上がりますので、金融機関とお付き合いが浅い最初のうちは、無理です。しかし、いずれはプロパー融資を受けることができるように目指すべきです。

なぜなら、プロパー融資は、上記のデメリットの裏返しで「保証料が不要」「保証枠を超えた借入が可能」などのメリットがあります。

その他にも、複数の金融機関とお取引がある場合や、新規の融資先を探している場合に、他の金融機関でプロパー融資を受けているという実績が、交渉材料して使えるからです。

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