昨日、我が家の愛猫ゆきじの火葬が終わり、お骨が家に戻ってきました。
5月11日に亡くなったゆきじ。享年15歳6ヵ月と、寿命を全うしたと言えるかもしれませんが、我が家の先輩猫であったマニーは20歳、ぶーちゃんは17歳と平均寿命を超えて生きてくれたこともあり、一緒に暮らせる時間はまだまだあると勝手に思っていたのですが…。
ゆきじを我が家にお迎えしたのは、僕のほんの一言がきっかけでした。
当時、付合いっていた彼女(後の奥様)は、元々、雄猫2匹(マニー、ぶーちゃん)と雄犬1匹(ネスケ)を飼っていたてたのですが、それまでの人生で一度も犬猫を飼ったことがない自分は、「いつか、子犬か子猫を一から育ててみないなぁ」なんて話をしていたのです。
そんなこんなで、ある保護施設から雌猫をお迎えすることになり、彼女を「ゆきじ」と名付けました。
名前の由来は、男ばかりの兄弟の中でも、たくましく生きて欲しいという願いを込めて、大好きな漫画「20世紀少年」の女性キャラクター「瀬戸口ユキジ」から拝借しました。
ゆきじの主なトリセツを3つ挙げるなら「鳴かない」「人見知り」「嫉妬深い」といった感じでした。
「鳴かない」
猫って結構鳴きますよね?
マニーもぶーちゃんも普通に「にゃーにゃー」鳴いていましたが、ゆきじは、とにかく鳴きませんでした(後々、これが変わるのですが…)。1週間に1回、声を聴くことができるかどうか、という頻度。しかも鳴き声が一般的な「にゃ~」ではなく、「キャ~」と悲鳴みたいな高音なので、そのレア度と鳴き声に、ゆきじが鳴く度、「何事?」とビックリしていました。
「人見知り」
先住の兄弟猫と犬ともすぐに慣れて、わんぱくに走り回る姿には、兄弟たちが一歩引いちゃう程だったので、最初のうちは全く気付かなかったのですが、僕と奥様そして兄弟猫犬以外の人には全然慣れませんでした。窓から外を見るのは好きなのに、外に脱走することは一度もなかったし、誰かが家に来ると、狭い部屋なのに、どこに隠れているのかと不思議なほど、姿を現しませんでした。「人見知り」っていうよりは、「内弁慶」なのかな?
「嫉妬深い」
ぶーちゃんが膝の上に乗ってくる(マニーは絶対しない!)と、「私も~」といった感じで、ぶーちゃんの上にかぶさる様に乗っかってきて、ついにはぶーちゃんを押しのけて我が物顔をしたり、僕と奥様が話しているときは距離をとっているのに、一人になった瞬間を狙って、上目遣いで甘えてくる姿には、奥様と「ゆきじって愛人ぽいよね」と冗談交じりで話したこともありました。
数年間、家庭の事情で一緒に暮らせない時期はありましたが、子猫の頃から一緒にだったゆきじも気づけば、すっかり大人になりました。当然、歳のはなれた兄弟も年を重ね、2017年にネスケが、2020年にぶーちゃんが、そして2022年にマニーが、ひと足先に天国へと旅立っていきました。
ついに、ゆきじが一人になってしまった時、新たに子猫をお迎えしようかどうしようか迷いました。小さい頃から常に多頭で暮らしていたゆきじにとっと、一人は寂しのではないかと。
ただ、ゆきじと二人っきりの生活になってから、彼女の行動が少し変わってきました。
まず、「よく鳴く」ようになりました。しかも、昔ほど「キャ~」といった感じではなく、以前の通り高音気味ではありますが「にゃ~」と猫っぽい感じで。
今まで全然鳴かなかったのに、突然、毎日何回も鳴くようになったので、最初のうちは、やっぱり構ってくれる兄弟がいなくなったのが寂しいのかなぁ、と思いました。
しかし、よくよく行動を観察しているとそうでもなさそうだったので、「元々嫉妬深いゆきじは、お父ちゃんを独占できるし、ひとりの方が性に合っているのかな?」と、勝手な解釈かもしれませんが、そう思いを改め、新たな兄弟をお迎えするのはやめました。
それから、ゆきじが亡くなるまでの約2年間は、穏やかな2人暮らしが続きました。
仕事の合間、ごはんを食べたあと、ベースの練習の合間と、隙を見つけては、僕の膝に飛び乗ってきては、心地よさそうに丸まっている、ゆきじの姿には、ほんと、癒されました。
愛犬・愛猫が亡くなった際の喪失感は、何回経験しても慣れることはないですが、今回、ゆきじがいなくなった今、感じている喪失感は、それまでとは比較にならないほどです。正直、自分がこんな状態(いわゆる、ペットロス?)になるとは想定外のことでした。
それはなにも、他の兄弟と比較して、ゆきじが特別だからという訳ではありません。
ネスケが、ぶーちゃんが、マニーが、それぞれ亡くなった際には、残る兄弟たちが、普段通り、ごはんを食べ、寝たいときに寝て、好きな時に「にゃ~」と鳴いていてくれていた、その変わらぬ日常の光景があったからこそ、そこまで喪失感を感じないで済んでいただけなんだと思います。
まだ、なかなか頭が整理できていませんが、今はただ、ゆきじが天国で大好きな兄弟達、そして奥様と再会できていることを祈っています!
ゆきじの体の温もりを感じることができないのは寂しいけど、僕の心は常にアナタのもとにあります。
I’ll always be with you, always
↓亡くなった奥様が、生前、子供たちとの日々を綴っていたブログ『MY SWEET HOME』です。