楽しく走りたい人こそ知っておきたいこと『「体幹」ランニング』

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1年以内にフルマラソン完走計画が「怪我」で断念…

以前、フル・マラソン完走を目標にジョギングを始めたのですが、始める前の計画では1年以内にハーフ・マラソン、フル・マラソンと段階を踏んで走る予定でした。

実際に大会にエントリーもしていました。しかし、結局どちらの大会も出走できませんでした。

その原因は…、「怪我」 です。

今となってはありがちな怪我の仕方だと納得できます。元々体育会系で育ったので、人並に運動に関しては知識や経験があった(中学時代は陸上部にも所属していました)こともあり、ランニングを始めた初期の段階から調子に乗ってどんどん走る距離も増やしていたことが原因でした。

ジョギングを始めてから2週間程して、膝に違和感を感じるようになり、その後も症状は悪化、一時期は普通に歩くのも辛い程でした。

幸い整形外科やカイロプラクティックなどに通院し、ある程度は回復したのですが、その後はランニングの距離をのばしたり、インターバル走など負荷のかかるトレーニングをする度に、膝や両腿の前面に痛みや痺れがでてしまい、とても10km走ることもできないような状態がしばらく続きました。

市民ランナーこそ身に付けたい「体幹ランニング」

怪我をして半年以上、走るときはいつも怪我を心配しながら走っていたため、走ること自体があまり楽しくなくなった時期もありました。

しかし、しばらくすると距離を伸ばして10km以上走れるようになり、脚に負荷のかかるインターバル走などもこなせるようになってきました。何が改善のなのかハッキリしたことは分かりません。ただ1点、何か変化があったこととして挙げられるのが、金哲彦さんの本との出会いでした。

プロ・ランニングコーチとしてテレビや雑誌への露出も多い、ランニング界のカリスマコーチである金さんの著書です。「体幹」という言葉自体は、サッカーの長友選手が取り組んでいたトレーニング方法として知っていたのですが、ランニングと「体幹」が関係あるということは本書を通してはじめて知りました。

体幹ランニングのメリットとして、次の4つが挙げられています。

①動きがスムーズになり、ラクに走れるようになる。
②脚や腰の痛みや故障を防ぐ。
③走力がつき、タイムが縮まる。
④消費エネルギーが増え、シェイプアップにつながる。

という訳で、特に②の故障の予防になるのなら、と試してみたのです。

本書では、まず、第1章で「体幹」とは何なのか?ということで、体の中心ポイントである丹田、走りで始めに動かす部分である肩甲骨、上半身の動きを下半身に連動させる骨盤について知り、第2章でそれら体幹の筋力を目覚めさせる「体幹エクササイズ」が紹介されています。

この体幹エクササイズは9種類あり、それぞれ見開き2ページを使って写真入りでやり方が記載されているので、非常に分かりやすいです。「1日5分で~」というキャッチが入っていますが、実際に9種類のエクササイズをこなすには、最初の頃は15分ぐらいは必要でした。それでも、ジョギングを始める前には必ずやるようにしていました。

3ヶ月でフルマラソンを完走するための練習メニューも付いてくる!

この「体幹エクササイズ」を始めて2月程が経過した頃には、今までどうしても消えなかった膝や腿の痛みを感じなくなったので、このトレーニングは一定の効果があったのだと思います。

以前通院していた整形外科の先生も、素人がブームでマラソンに挑戦するようになって、故障する人が多くなったとおっしゃっていたので、おそらく僕のように故障された方もがいらっしゃるかもしれません。

そのような方には、怪我の再発防止のためにも「体幹エクササイズ」をオススメします。

また、本書で非常に役に立つのが巻末に付いてくる練習メニューです。第3章で体幹を使った正しい姿勢や歩き方、そして第4章で体幹ランニングの方法と順々に学べるのですが、いざ、自分一人で練習をするとなると練習メニューを作るのに結構悩んだりしませんか?

漫然と長い距離を走るだけでは効果が薄いということは見聞きしたことがあるけど、かと言って具体的なメニューを自分で考えるには知識が足りないし、そもそもその方法が正しいのか不安だし…。

そんな僕のような素人にも易しいのが本書。金さんのオリジナルのフルマラソン5時間以内の完走を狙う、3ヶ月練習メニューがついてるんです。

もちろん、人それぞれ時間的な制限もあるし、その提案通りのメニューは出来ないかもしれませんが、何となく毎日同じようにただ走るだけよりは、本書のメニューを参考にしたほうが遥かに力がつくと思います。

まとめ

本書を参考にトレーニングを続け、フルマラソンを完走することができました。いまは、ランニングはお休みしていますが、体幹を鍛えることによる効果は実感できたため、体幹を鍛えるトレーニングは継続しています。

しばらく運動から遠ざかっていても、昔に部活などできついトレーニングをしていた経験があると、年甲斐もなく「今でも」同じように動けると勘違いしてしまいます。しかし、現実は何もしていないと体は確実に衰えています。

ランニングは手軽に始めることができるのでオススメではありますが、いちど故障をしてしまうと直すのも大変です。

本書で紹介されている「体幹ランニング」を修得するのは簡単ではありませんが、怪我予防には一定の効果があると思います。

僕と同じようなお悩みを抱えている方、又は、これからランニングをはじめてみようかなぁと考えていらっしゃる方は、是非、怪我の予防のために本書を読んでみてください。

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