2016年に本格的な運用が開始した「マイナンバー」、行政手続きのオンライン窓口として2017年に始まった「マイナポータル」、2020年にマイナンバーカードの普及を狙ってスタートした「マイナポイント」など、行政が運営するサービスには「マイ○○」という名称が多い。
「紙からデジタルへ」という世間的な流れのなか、行政側と利用者側の利便性の向上を目指すのは良いことですが、どれもいまいち使い勝手が悪く、なかなか普及していかない印象があります(実質お金がもらえるマイナポイントは別でしたが…)。
そんななか、2023年、新たな「マイ○○」が登場していたのをご存じでしたか?
それが「マイページ」です。
マイページで確認できる事項は、個人版と法人版で違いがある
「マイページ」は、行政(国税庁)がe-Taxを利用する個人・法人向けにスタートさせたサービスで、個人向けは2023年1月に、法人向けは2023年9月に、既に提供が開始されています。
税務署とやり取りには、基本的に、メールが使えず、電話・FAX・郵便、時には直接税務署に行って確認しなければいけなかったりと不便なため、その点だけでも改善されると助かると期待しているのですが、前述の「マイ○○」と同様、現状は、まだ使い勝手が良いとは言えません。
個人向け | 法人向け | |
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所得税関係 (個人) 法人税関係 (法人) | ・申告の種類(青色・白色) ・電帳法に基づく届出書(又は承認申請書) の提出・出状況 ・予定納税額(第1期分・第2期分の合計額) | ・申告の種類(青色・白色) ・申告期限の延長の特例に関する事項、 申告期限延長期間 ・電子申告義務について ・中間申告分の法人税額・地方法人税額 |
消費税関係 | ・簡易課税制度選択届出 ・課税事業者選択届出 ・課税期間特例選択届出 ・中間納付税額 ・中間納付譲渡割額 | ・課税期間特例選択届出書 ・申告期限の延長の特例に関する事項、 申告期限延長期間 ・電子申告義務について ・中間申告分の消費税額・地方消費税額 |
NISA | ・営業所名称 ・開設状況 ・変更/廃止年月日 | - |
個人向けであれば、住所氏名や納税地、メールアドレス、還付金の振込先口座などが確認できる「本人情報設定」、法人向けであれば、法人名称、代表者名称、納税地、還付金の振込口座などが確認できる「法人情報設定」は、基本的な登録情報で共通する項目が多いので記載を省きますが、実務的には重要な「各税目に関する情報」については異なる点があります。
マイページを利用する場面を実務的に考えてみると、納税者としては、例えば経理担当者が変わったとき、税理士としては、新規に顧問契約を結ぶときなど、税金計算や申告書の提出期限に影響がある届出書・申請書が提出されているかどうか、を確認する際に限られます(具体的には「青色申告の承認申請書」「申告期限の延長の特例の申請書」「課税事業者選択届出書」「簡易課税制度選択(不適用)届出書」など)。
これらは、納税者本人が提出済の書類を保存していなかった(又は書類がすぐに見つからない)場合、税務署に確認するしか術がなかったため、提出状況をマイページでサクッと確認できるようになれば便利なのですが、現状は、法人向けでは「課税事業者選択届出書」「簡易課税制度選択(不適用)届出書」については、確認ができません。
個人向けでは確認及び申請もできるので、今後、法人向けにも機能が実装されることを期待します!!
マイページに記載されているデータですが、「各税目に関する情報更新は年一回で、事業年度末から概ね1ヶ月以内に行われる。」となっているので、更新のタイミングには、注意が必要です!
マイページへのアクセス方法は、主に3つ!
e-Taxのマイページにアクセスする方法は、個人向け・法人向け共に共通して、主に3つ※あります。
※個人向けについては、マイナポータルの「もっとつながる」機能を利用して確認することも可(ただし、事前にe-Taxとマイナポータルを連携させておく必要あり)!
それぞれのソフトへアクセスし、マイナンバーカードをスマホで読み取る「マイナンバーカードによるログイン(個人向け)」、または、利用者識別番号と暗証番号を入力する「利用者識別番号によるログイン(個人向け、法人向け)」のいずれかの方法でログインができます。
なお、個人向けで「利用者識別番号によるログイン」の方法でログインした場合、機能の一部が制限されてしまう項目があるので、マイページで表示可能な全ての項目を確認するためには「マイナンバーガードによるログイン」の方法でログインしてください!