「会社→節税」「従業員→モチベーションアップ」に繋がる決算賞与のススメ

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賞与は一般的には夏期と冬期に支給されるけど…

賞与は一般的に、夏(7月)と冬(12月)というイメージがあります。
これは、公務員の賞与(ボーナス)が6月末と12月10日に支給され、同時期にニュースで「今年の公務員の賞与は増えた(減った)」と報道されることも関係しているかもしれません。

民間も、夏期と冬期に賞与を支給している会社は確かに多いです。これらの定期賞与は就業規則等に定められている場合に支給するもので、業績の良し悪しにかかわらず支給する、いわば給与と同じような位置づけでもあります。

しかし、民間企業は、国とは違って、継続して利益をださなければ(正確には、会社にお金がなければ)賞与を支給することによって、会社が傾いてしまう可能性だってあります。そういう意味では、固定給のような定期賞与は会社の首をしめかねません。

また、従業員にとっても、定期賞与は、支給されるのが当たり前と考えがちです。逆に、支給額が少なくなる又は支給されないなんてことになれば、モチベーションはダダ下がりになってしまうかもしれません。

「業績次第」で支給する決算賞与で合法的に利益調整が可能

一方、決算賞与は、基本的には「業績次第」で支給されるものなので、業績が良ければ支給、悪ければ支給しないと流動的に決定でき、支給額についても、利益の着地見込みや資金繰りをシュミレーションしながら、合法的にある程度、利益調整(節税)をすることができますので、会社にとってメリットがあります。

この決算賞与の利点は、決算迄に支給すれば経費として落とせるのはもちろんですが、決算迄に実際には支給していない(未払)の状態でも、一定の要件を満たすことにより経費になります

一定の要件とは具体的には、以下の3つです。

  1. 決算賞与を支給する従業員に全員に対して、決算期末までに支給額を通知する
    →各従業員に文書はメールで支給日支給額を伝える必要があります!
  2. 通知をした従業員の全員に対して、決算期末の翌日から1月以内に支給する
    →例えば3月決算の場合、4月30日までに支給する必要があります!
  3. 通知をした事業年度に損金経理をする
    →損金経理とは、経理処理で「賞与/未払金 ●●円」と経費計上しておくことです!

決算賞与に係る法定福利費(会社負担分の社会保険料)については、実際に賞与を支給した月に経費計上(「法定福利費/未払費用 ●●円」)できるので、未払計上により決算賞与を支給する場合に、経費になるのは「決算賞与」の分だけです!

節税という側面だけでなく、業績に応じて支給されるということであれば、従業員にとっても、会社への貢献が「お金」とい目に見えるもので支給されることは、モチベーションアップにつながる可能性があります。

同じ「お金」がでていくとしても、必須ではない法人保険やオペレーションリースなどで節税するよりは、先に決算賞与の支給を検討すべきではないでしょうか。

↓役員に対する賞与については過去記事をご参照ください。

決算賞与を決算日までに支払ってしまうか?未払計上するか?

上記の通り、決算賞与に係る会社保険料のついては、実際に決算賞与を支給した月の経費になるので、決算賞与を未払計上して翌事業年度に入ってから支払うばあいには、翌事業年度の経費になります。

そのため、決算までに支払いを完了させたほうが経費を積み増すことができるので、もし、決算までに査定・賞与計算・振込手続など支給業務を完了させることが可能であれば、節税対策という観点でいえば、支払ってしまったほうがいいです。

一方、決算賞与の支給額によっては、多くのお金が会社から出ていくことになります。
現状、銀行から融資を受けている、これから新規で融資を受けることを検討している会社の場合、銀行への決算書することを考慮すると「現金預金」は多い状態のほうが決算書の見栄えがいいので、銀行融資対策という観点でいえば、実際の支払いは翌事業年度に回したほうがいいです。

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