送金手段として使われる「定額小為替」
キャッシュレスの時代に、使用する頻度はあまりないかもしれませんが、まれに、支払方法が「定額小為替」しかない場合があります。
「定額小為替」とは、現金を送金する手段のひとつで、送金元が、ライブのチケットのような為替証書をゆうちょ銀行又は郵便局の窓口で購入し、その購入した証書を郵便で送付し、送金先が受取った為替証書をゆうちょ銀行又は郵便局の窓口に持ち込み現金に換金します。
定額小為替証書は、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類があります。
そして、額面金額の他、全金種共通で、証書1枚あたり200円の手数料が必要になります。
例えば、1,000円分を送金するために、500円の証書を2枚購入すると、手数料が200円×2=400円必要になり、1,000円の証書を1枚購入するより200円余計に出費がかさみますのでご注意ください!
定額小為替を購入した際の経理処理
ビジネス上で、この定額小為替を使って送金することはあまりないので、実際に購入した際、そして、使用した際には、どのような経理処理をすればよいか迷ってしまうことがあるかもしれません。
ただ、この「定額小為替」自体は、現金がチケットに形が変わっただけのもの。つまり、経理処理をするうえで取扱い自体は「現金」と同じと覚えておけば難しいことはありません。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
2022年6月1日 | 現金 1,000円 | 現金※ 1,000円 | 日本郵便㈱ 定額小為替 |
2022年6月1日 | 支払手数料 200円 | 現金※ 200円 | 日本郵便㈱ 定額小為替発行手数料 |
頻繁に定額小為替を使用することがない場合、送金に必要なときに購入してすぐ郵送すると思いますので、決算や年度をまたぐことがなければ、「現金/現金」の仕訳は省略してしまってもかまいません。
ただし、購入時の手数料の仕訳だけは、忘れないように処理をしておきましょう!
定額小為替を使用した際の経理処理
そして、実際に定額小為替を使用した際には、「現金」で支払ったものとして経理処理をすればOKです。
【例1】
例えば住民票、納税証明書などを発行してもらうためにであれば、行政手数料に該当しますので、
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
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2022年6月10日 | 租税公課※ 400円 | 現金 400円 | ●●区役所 納税証明書 |
【例2】
検定試験の受験料や、民間事業者のサービスを受けるための手数料などであれば、自社の基準に合わせて、教育訓練費、支払手数料などで処理をすればよいでしょう。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
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2022年6月10日 | 支払手数料※ 1,000円 | 現金 1,000円 | ㈱シー・アイ・シー 情報開示手数料 |