会計ソフト(インストール版)データ連携機能はクラウド会計に劣る
マネーフォワードやfreeeなどクラウド会計ソフトの利点は、銀行口座やクレジットカードの履歴を自動で会計ソフトと連携してくれるところです。
人が手入力すると時間がかかるし、どうしても一定の入力ミスは生じますので、経理作業の手間は確実に減らすことができます。
一方、インストール型会計ソフトの利点は、その名の通りPCにインストールして使用するソフトなので、クラウド会計ソフトと比較するとソフトがサクサク動きます。そのため、データのチェック・修正作業は、確実にインストール型会計ソフトの方が楽です(「弥生会計」を使用している会計事務所が多いのは、このあたりの事情もあるかと…)。
また、インストール型ソフトの代表格である「やよいの青色申告」「弥生会計」でも「スマート取引取込」という機能を使えば、銀行口座、クレジットカード、POSレジのデータなどとデータ連携ができます。
マネーフォワードやfreeeが直接データを連携するのと比べると、使い勝手は悪いですが、とりあえず、履歴を引っ張ってきてくれるだけでも使う価値はあります。
「スマート取引取込」機能の弱点
ただ、このスマート取引取込の弱点は、取引データを「振替伝票」形式で作成できないこと。
スマート取引取込で「弥生会計/やよいの青色申告」へ取込んだデータは「仕訳日記帳」形式で取り込まれます。
その「仕訳日記帳」形式でも問題ないと言えばないのですが、データを修正する際にちょっと不便なこともあります。
例えば、普通預金で借入金返済330,000円(元本300,000円、利息30,000円)の取引があったとします。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
2022年3月31日 | 借入金 330,000円 | 普通預金 330,000円 | 借入金返済 |
スマート取引取込では、入金・出金の金額をそのまま取り込むため、借入金利息を含めた全額が借入金返済になってしまいます。これを元本と利息に分解したいのですが、「仕訳日記帳」形式で修正すると以下のように表示されます。
「仕訳日記帳」形式の場合、日付が同じ仕訳があると作成順に表示されるので、1つの取引が離れて表示されてしまいます。
取引数自体が少ない場合は、あまり問題ありません。しかし、取引数が多いと、確認作業の際にちょっと面倒な場合もあります。
「仕訳帳」形式を「振替伝票」に変換することができる
この機能がいつ実装されたのが定かではないのですが「振替伝票へ変換する」を使うと、「仕訳日記帳」形式の仕訳を「振替伝票」形式に変換することができます。
操作は簡単。修正したい仕訳の一部を選択した状態で、右クリック。表示された操作一覧に表示されている「振替伝票に変換」をクリックするだけです(アラートのポップアップが表示されますが「はい」でOKです)。
変換された振替伝票が表示されるので、データを修正して、画面右上の「登録(F12)」をします。
仕訳日記帳でデータを確認すると、ひとつの「振替伝票」のデータなので、連続して表示されます。
後々データを確認することを考慮すると、この「振替伝票に変換」機能を使ってデータ修正をしたほうが便利だと思います。
これも余談ですが、会計データを別途Excel等にエクスポートして「データとして活用」する場合、上の画像の訂正方法では、利子割引料の貸方勘定科目が空欄になってしまいデータとして使い勝手が悪くなります。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
2022年3月31日 | 借入金 330,000円 | 普通預金 330,000円 | 借入金返済 |
2022年3月31日 | 支払利息 30,000円 | 借入金 30,000円 | 借入金利息 |
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
2022年3月31日 | 借入金 300,000円 | 普通預金 300,000円 | 借入金返済 |
2022年3月31日 | 支払利息 30,000円 | 普通預金 30,000円 | 借入金利息 |
そのため、修正方法としては、上記の2パターンのいずれかをオススメします。