会計事務所勤務時代の給与は低くても構わない!そのかわり「時間」は死守すべし!!

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世間と比較すると、会計事務所の給与は低いのか?

岸田首相の看板政策「新しい資本主義」を受けて、賃上げを支援する税制の強化、赤字でも賃上げをする中小企業に対する補助金の特別枠設定など、国からは、企業に対して賃上げに対する圧力(?)がかけられているように感じます。

ただ、大企業であれば、国からの要請に応じることも可能かもしれませんが、中小企業の実態としては「3%を超える賃上げを期待する」と言われても、正直厳しい、というのが現実ではないでしょうか?

実際に、国税庁が調査報告している2020年の民間給与実態統計調査においては、1人当たりの平均給与は433万円(男性532万円、女性293万円)ですが、過去のデータをみても、ほぼほぼ横ばいです。
ちなみに、10人未満の事業所規模では、平均給与347万(男性433万円、女性244万円)となっています。

なぜ、全体との比較として事業規模10人未満のデータを挙げたかというと、会計事務所は、ほんの一握りの税理士法人の除き、ほとんどが10人未満の零細事務所だからです。

税理士を目指すには、税理士試験の合格の他、2年間の実務経験が必要になります。
実務経験は会計事務所である必要はないですが、合格後独立を考えると、税理士実務の経験を積める税理事務所を選択する方が少なくないでしょう。

会計事務所はよく、給与が安い残業が多いブラックだとか、ネガティブな印象もありますが、実際にはどうでしょうか?

独立までに勤めた4つの会計事務所での給与・賞与

自分の場合は、1人でお客様の担当をしたい、個人的な性格で大規模な職場は苦手、というのが主な理由で、小規模の事務所に絞って転職活動をして、独立するまでに4つの事務所に勤めてきました。

その4か所の事務所での給与形態と大まかな給与・賞与等は以下の通りです。

事務所形態・規模給与賞与社保税理士試験の科目合格状況
個人事務所(5人未満)22万(固定残業制)2ヶ月分未加入2科目→3科目
個人事務所(10人未満)約25万(固定残業制)?※未加入3科目
個人事務所(5人未満)約30万(固定残業制)2ヵ月分未加入3科目→4科目
会計法人(10人未満)約43万(固定残業制)2ヵ月分加入4科目→5科目
※2つ目の事務所は短期で退職したため、賞与は不明。

会計事務所は個人事務所が多いため、社会保険に未加入の事務所も多いので、単純比較はできないのですが、3つめの事務所でやっと10人未満の事業所規模の男性の平均給与と同じくらいですので、決して収入が高いとは言えませんね。

あと、多くの事務所が固定残業制を導入していると思われ、残業をしようがしまいが、収入は変わりません(とはいえ、残業なしの事務所はほとんどない…、かもしれませんが)。

試験に合格するまで、捨てるなら「時間」より「お金」

税理士試験に合格するため、大学院に通って税法免除を受けるため、いずれにしても、それなりに多くの時間を要します。

働きながら勉強の時間を確保するのは、想像している以上に大変なので、税理士の資格を取得して独立することが第一目標であるならば、「お金」の満足度は捨てて、とにかく「勉強時間の確保」できるかを重視しましょう。

残業が少ない、休日出勤がない事務所に当たればラッキーです。

自分の場合も、残業がほぼ無かったのは、3つ目に勤めた事務所のみ。
その事務所の先生は、お金は出せないけど、所員には勉強のための時間は確保してあげたい、というポリシーを持っておられたので、勉強時間は多く確保することができました(この期間に5科目合格そろえる予定だったのですが、相続税法に引っかかってしまいまして…)。

とはいえ、残業なしの事務所を見つけるのは、なかなかに難しいんですけどね。
実際、面接で残業のありなし、平均的な残業時間を確認したとしても、実態は異なることが多いですしね。

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