国が積極的に利用を勧めている信用保証協会の保証制度

目次

保証付融資も審査は厳しめになっているが、狙い目の保証制度はある!

信用保証協会の保証付融資は、中小企業にとって「借りやすい融資」となっています。なぜならば、民間企業からプロパー融資をしてもらいにくい中小企業が資金調達しやすくするために、国が制度として定めているからです。

↑保証付融資及びプロパー融資については、過去記事をご参照ください。

しかし、2024年4月の金融庁における「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の改正により、信用保証協会の保証付融資も審査が厳しめになっているのが現状です。

ただし、そんな中でも、国が積極的に利用を促している保証制度があります。

2024年6月7日、経済産業省・金融庁・財務省からニュースリリース「今後の中小企業向け資金繰り支援について公表します」が公表され、その中で、今後の中小企業向け資金繰り支援について、の記事があります。

このニュースリリースに記載されている融資制度や保証制度は、「国が積極的な利用を促している」制度ということになります。つまり、それだけに保証協会も、これらの制度の利用に関しては、むげに断りづらくなっているようですので、狙い目の制度です!

国が積極的に利用を勧めている制度①:小口零細企業保証制度

小口零細企業保証制度は、責任共有制度の実施に伴い、金融環境の変化による影響を受けやすい小規模企業者を対象として創設された責任共有制度対象除外となる保証制度です。

責任共有制度とは、「金融機関」と「保証協会」が融資に当たっての責任を共有するということです。2007年の制度導入後は、一部を除き、保証割合が協会80%、銀行20%となっています。
つまり、現状は、銀行も万が一の事態があれば、20%分の貸倒リスクがあるため、「責任共有制度」導入前の保証割合が協会100%だった頃と比較すると、保証付融資についても審査は厳しくなっています。

保証限度額2,000万円(既存の信用保証付融資との合計で2,000万円の範囲内)
保証期間10年以内(据置期間1年以内)など(各信用保証協会所定)
保証料率0.5%~2.2%など(各信用保証協会所定、経営状況によって異なる)
保証割合100%保証
担保原則として無担保
対象企業者小規模企業者

責任共有制度対象除外の「除外」という言葉から、ネガティブな印象を受けるかもしれませんが、国が利用を促進しているため保証協会の立場としては依頼を断りづらく、金融機関の立場としても保証協会が100%保証をするためリスクがないという事情があるため、融資審査が厳しめの現状の中、比較的利用しやすい保証制度と言えます。

限度額が2,000万円と少なく、従業員数による縛りもある(従業員数20人以下、商業・サービス業は5人以下)ため、利用できる事業者は限られますが、要件に該当するのであれば、積極的に活用しましょう!

国が積極的に利用を勧めている制度②:経営力強化保証制度

経営力強化保証制度とは、中小企業者の資金調達にあたって、金融機関が認定経営革新等支援機関と連携して中小企業者の事業計画の策定支援や継続的な経営支援を行い、中小企業者の経営力の強化を図ることを目的として創設された制度で、一般よりも保証料は割安になっています。

金融機関および認定経営革新等支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画の策定ならびに計画の実行および金融機関への当該計画の進捗報告を行う中小企業者が利用できます。

保証限度額2億8千万円(普通保証 2億円以内、無担保保証 8千万円以内)
保証期間10年(既往借入金を借り換える場合)
保証料率責任共有制度対象の場合 0.45%~1.75% 責任共有制度対象除外の場合 0.5%~2%
据置期間1 年以内
貸付金利金融機関所定利率
保証割合80%
申込み方法金融機関経由

認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)です。
多くの税理士は、この支援機関としての認定を受けていますので、現状、顧問契約をしている税理士がいるのであれば、まずは、顧問税理士にご相談いただけると良いかと存じます。
また、中小企業庁HP内の「認定経営革新等支援機関検索システム」を使用し、地域、相談可能内容、相談可能業種等の条件を入力して、該当する支援機関を検索することもできますので、現状、顧問税理士がいないようであれば、そちらをご利用いただけますと幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次