「寄付金控除に関する証明書」の電子交付と確定申告の方法

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2021年分の確定申告から「ふるさと納税」の手続きは楽になる?

フリーランス(個人事業主)の方が、ふるさと納税をした場合、確定申告をしない会社員等の方々がつかえる「ワンストップ特例申請」が使えません。

「ワンストップ特例申請」とは、給与所得者等で、もともと確定申告が必要でない方が、1年間に「ふるさと納税」をした寄付先の自治体が5以下である場合に、寄付先の自治体に「ワンストップ特例申請書」に本人確認書類を添付して送付することで、確定申告が不要になる制度です。

そのため、ふるさと納税をするたびに、各自治体から送られてくる「寄付金受領証明書」を集めて確定申告時に、記載(入力)する必要がありましたが、これは寄付先が多くなるととてつもなく面倒です。

会計事務所勤務時代、会社の社長など所得の多い方々は結構な数のふるさと納税をされるので、この「ふるさと納税」の証明書の確認、データ入力作業と、「医療費控除」の領収書等の確認、データ入力作業は結構地獄でした。

フリーランス(個人事業主)で「俺(私)はそこまで寄付件数が多くないよ!」という方でも、面倒は面倒ですよね!

ただ、2021年分の確定申告から「寄付金受領証明書」がなくても確定申告ができるようになりました。

「寄付金控除に関する証明書」を使えば手間は減るけども…

各自治体が発行してくれる「寄付金受領証明書」のわりに、各ポータルサイト発行する「寄付金控除に関する証明書」という書類だけでOKになったのです。

【e-Taxで提出する人】
ポータルサイトが交付した証明書データ自体をe-Taxへ連携し、電子申告

【紙で提出する人】
ポータルサイトが交付した証明書データを、国税庁QRコード付証明書等作成システムで読み込み、PDFへ変換してプリントアウトして、確定申告書に添付する

「寄付金控除に関する証明書」使って確定申告をできるようになことにより楽になることもありますが、気を付けるべきポイントもあります。

楽になること

  • ふるさと納税をするたびに送られてくる「寄付金受領証明書」を保管しておかなくてよくなる。
  • 寄付先、寄付日、金額といったデータを確定申告書に記載、又はデータ入力する必要がなくなる。

気を付けるべきこと

  • ポータルサイトから証明書をダウンロードできるようになるのが遅い(2月にはいってから)
  • 設定に戸惑う可能性あり(1年目はしょうがないかも)
  • 複数のサイトを活用している場合、それぞれのサイトからダウンロードする必要あり
  • XMLファイルは「QRコード付証明書等作成システム」PDFに変換してから紙に印刷する必要あり

実際の手順(楽天ふるさと納税)

楽天ふるさと納税のHPから証明書を交付申請をする

楽天ふるさと納税のマイページメニューから「確定申告に伴うお手続き」に進みます。 

証明書の交付希望年を選択し「交付手続きへ」をクリックし、楽天会員情報を確認後、利用規約に同意し、交付申請をするだけで手続き自体は完了です。

ただ、注意点としては、交付申請をして即時に証明書が交付されるわけではありません。「お知らせ」にも「証明書データの交付には、3~6営業日かかります」と記載されている通り、申請から交付まで数日かかります。

右の画像にように「電子交付の状況」の部分が「準備中」から「お手続きを進める」に変わっていたら交付済です(完了の通知メールも届きます)。

楽天ふるさと納税、e-私書箱、マイナポータル・e-Tax間の連携をおこなう

楽天ふるさと納税から交付された電子証明書のデータはe-私書箱(野村総合研究所)という電子ポストに投函されるため、e-私書箱にアカウントを作成し、楽天ふるさと納税とe-私書箱、e-私書箱とマイナポータル、マイナポータルとe-Taxをそれぞれ連携させます。

この登録・連携の手順は、以前にマイナポータルの登録済かどうか、e-私書箱のアカウントを既に持っているかどうか、など各人の状況により異なりますが、基本的に画面表示される手順に従って進めていけば大丈夫だと思います。

※連携手順については、楽天ふるさと納税のHP「マイナポータル連携について」が分かりやすいので、もし手順通り進んでも詰まってしまったら、そちらをご参照ください。

なお、ここでも連携後すぐに、e-私書箱に証明書データが届くわけではなく、連携のタイミングによっては数日かかるようです(僕の場合、土日を挟んだことが影響あるのか3日かかりました)。

QRコード付証明書等作成システムでPDFへ変換(紙で提出する場合)

電子交付された「寄付金控除に関する証明書」はe-私書箱の電子ポスト内で確認できます。

e-Taxを利用して確定申告をする場合には、e-私書箱をマイナポータルと連携させるのですが、税務署の窓口提出又は税務署へ郵送提出する場合には、この「寄付金控除に関する証明書(xmlデータ)」のままでは証明書の形式で出力できないため、「QRコード付証明書等作成システム」という国税庁のシステムを使ってPDFデータへ変換する必要があります。

国税庁「QRコード付証明書作成システムについて」へ進み、HPに記載されている手順通りに事前セットアップを行います。事前セットアップが完了したら、「QRコード証明書等作成システム」へ進み、電子ポストからダウンロードした「寄付金控除に関する証明書(xmlデータ)」をPDFへ変換します。

↓PDFに変換した「寄付金控除に関する証明書」はこんな感じになっています。税務署の窓口に直接提出又は郵送提出する場合には、PDFデータを印刷のうえ、確定申告書に添付して提出します。

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