フリーランスとして独立を考えたら、まず領収書・レシートを捨てない習慣を身につけよう

領収書レシート

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独立をしようかなと考えはじめたら、とりあえず…

フリーランス(個人事業主)として独立を考えはじめたら、とりあえず、やっておいて損がないことが、ひとつあります。それは、(独立後の仕事に関係して支払った)領収書やレシートを取っておくことです。

独立を考えられる多くの方は、独立をしようかなと考えはじめてから、実際に独立されるまで、ある程度の準備期間があると思います。その間、仕事のスキルを高めるためにセミナーを受講したり、打合せのためにカフェでお茶したり、PCなどのIT機器を購入したりとあれことお金がかかるものです。

実際に開業した後に仕事に関連して支払ったものは、もちろん経費になりますが、開業前に支払ったものであっても、独立後の仕事に関係して支払ったものであれば、立派に経費になります。
なお、開業から何年前に支払ったものまで開業費として認められるかについては、明確な規定がありません。実務上は1年程度が妥当ですが、その支出が開業のために必要であると説明できるのであれば、期間を気にせず、自信を持って経費として落としましょう。

ただ、正しく経費として落とすためには、次の決まりがあります。

・帳簿を作成(会計ソフトなどに取引データを入力)し、保存する
書類(請求書、領収書、レシートなど)を保存する。

学生や会社に勤めているときは、領収書やレシートなんかゴミ同然の不要な紙切れだと、もらうのを断ったり、即ゴミ箱へ捨ててしまっている方が大半だと思います。この「領収書やレシートは不要なもの」という認識・習慣は結構抜けにくいものです。

経費をきっちり積み重ねることが、税金を抑えることにもつながりますし、独立後は会計事務所に経理を丸投げする場合を除き、自ら経理処理をしなければいけません。開業前は、経理についても準備期間と考えて、きっちり領収書やレシートを取っておくようにしましょう。

かき集めた領収書・レシートはどうするの?

開業後の支払いについては、スマホ料金なら「通信費」、事務所家賃なら「地代家賃」など支払った内容によって、分類して処理するのですが、開業前に支払ったものについては、一部を除き、すべて「開業費」「開業準備費用」として一旦、開業日の日付で資産に計上します。

実際に会計ソフトを使ってデータ入力をするのは、開業後になると思いますので、それまでは、Excelを使って、下記のように簡単にまとめておき、領収書・レシートはまとめて封筒にでもいれておきましょう。
開業費集計そして、実際に会計ソフトを使用する段階になったら、そのExcelデータを加工して会計ソフトに取り込めば、二度手間にもなりません。

もしくは、下記のように会計ソフトには合計金額を入力しておいて、別途Excelのデータを保存しておく方法でも構いません。
開業費仕訳01

開業費に該当しないものもある

開業前に支払ったものは、その内容を問わず「開業費」として処理しますが、いくつか開業費に該当しないもの(処理方法が異なるもの)もあります。

●仕入れのための費用
売上を上げるための仕入代金は、原価として処理します。

●1つあたりの金額が10万円以上する機械や備品など
事務所は店舗の造作費用、IT機器など1つあたりの金額が10万円を以上のものは、いったん固定資産として計上して、耐用年数に応じて費用処理します。
※30万未満の場合には、一括で費用処理することもできます。

●事務所や店舗を借りた際の敷金や礼金
事務所や店舗を借りた際の敷金は、通常、退去時に返金されるものなので、費用にはなりません。また、礼金は開業費とは別に長期前払費用という科目を使い契約期間で費用処理します。
※20万未満の場合には、一括で費用処理することもできます。

上記のようにいくつか例外はあるものの、Excelで開業費を入力している段階では、特に開業費に該当するものとしないものを意識しなくてもよいと思います(Excel集計表でピンク色で塗りつぶしてある取引は、開業費に該当しない)。会計データに取り込んでから、又は合計金額を入力する際に、修正すればいいので、なにはともあれ、経費になりそうなものはもれなく集計ておくことが第一です。

「開業費」でタイミングを計って経費にする

「開業費」は、経費ではなく財産(=繰延資産)のひとつなので、そのままでは経費にはなりません。では、いつ経費になるのかというと、決算の際に、下記のように仕訳をひとつ追加して、資産から費用へ振り替えた年度に経費として落とせます。

開業費仕訳02なお、振り替える(=償却する)金額は、好きな年度に好きな金額を償却していいという任意償却が認められているので、開業した年度に全額償却しても、全く償却しなくてもいいし、3年間で均等に償却しても構いません。
開業当初は赤字になることも多いので、初年度は償却しないで、黒字になるようになってからタイミングを計って償却をすれば、税金が減るので節税にもなり、資金繰りの対策として有効ですよ。

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