クレカ等のポイントを利用してお買物、ポイントを引落金額へ充てた場合の経理処理

クレカ値引きサムネ

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ポイントがもらえるのは金銭的には嬉しい!経理的には面倒?

クレジットカードや電子マネーで買物をすると、ポイントが付与され、次回以降のお買物の際、たまったポイントを購入代金に充てることができるのが当たり前の時代。

金銭的には、ポイント分安くお買物ができるので嬉しいのですが、経理的にはそのポイントを受取ったとき、使ったときにどんな処理をすればいいか迷うことがあるかもしれません。

そんなポイントについて、事業者が法人の場合、フリーランスの場合に限定して、それぞれの場面でどのような処理をしたらいいか確認していきましょう。

経理処理のポイントは次の3つです。

  • ポイントは「もらった時」ではなくて「使った時」に処理が必要
  • ポイント使用時の処理方法は「値引き」か「収入(両建)」の2パターンあり。
    本当は使い分けの基準はあるけど、手間を考えると「値引き」処理の一択
  • 経理の手間を増やさないためにクレカ等は事業用とプライベート用は分けるべき

ポイントは「もらった時」ではなくて「使った時」に処理する

クレジットカードや電子マネーを使ってポイントが付与されると、そのポイント残高はHPやアプリで確認できます。
そのポイントをお買物に利用できるわけなので、価値的には現金と一緒。そう考えると、ポイントが付与されたときに、何かしら経理処理が必要なイメージがあるかもしれませんが、実際には、ポイントを付与されたときは、なんら処理は必要ありません。

【例】22,000円の消耗品をクレジットカード払いで購入し、後日1,100円分(5%)のポイントが付与された。

日付 借方 貸方 摘要
202x年7月15日 消耗品 22,000 未払金(クレカ) 22,000 ビックカメラ PC備品 
※付与された1,100円分のポイントに関する処理は不要

ポイント使用時は「値引き」か「収入(両建)」の2パターン

実際にポイントについて経理処理が必要になるのは、そのポイントを使用したときですが、具体的な処理方法としては、次の2パターンがあります。

  1. 両建処理 →ポイント利用前の代金を経費処理し、ポイント利用額は「雑収入」として別途処理
  2. 値引処理 →ポイント利用額を差し引いた実際支払代金を経費処理

実際には、そのポイントが「共通ポイント制度」(Tポイント、楽天ポイント等)か、「自社発行ポイント制度」(ある企業が独自に発行し、その企業のお店だけで使えるもの)のいずれに該当するかによって、決まっています。

ただ、どちらの方法で処理したとしても、経費として落ちる金額は同じになるので、どちらの方法で経理処理をしているかは問題にならないと思われます。それならば、実務的には手間のかからない「値引処理」のほうが断然いいです!
※消費税の課税事業者の場合、消費税の納税額は「両建処理」の方がちょっと少なくなります。それでも手間を考えると「両建処理で!」とはならないかと…。

【値引処理】11,000円の消耗品をクレジットカード払いで購入し、1,100円のポイントを利用。

日付 借方 貸方 摘要
202x年4月30日 消耗品 9,900 未払金(クレカ) 9,900 amazon 電子書籍(個人使用)
 ※11,000-1,100=9,900円

ただ、ポイントをお買物のときに利用するのではなく、クレカ決済代金に充てて使用されている方もいると思います。その場合には「両建処理」の方法で処理するのが現実的でしょう。

【両建処理】8月分のクレカ利用代金120,000円が9月15日に引落される際、ポイント10,000円分を充当したため、差引後の110,000円が口座から引落された。

日付 借方 貸方 摘要
202x年9月15日 未払金(クレカ)120,000 普通預金 110,000 クレジットカード 未払金支払い 
202x年9月15日 雑収入 10,000 クレジットカード ポイント利用 
※消費税の課税区分は「対象外」です!

あとは、自社(自身)で一度「両建処理」か「値引処理」のどちらで経理処理するか決めたら、その処理方法をコロコロ変えないことも大切です。

経理の手間を減らすために事業用とプライベート用は分けるべき

ちょっと面倒になるのか、フリーランス(個人事業主)で、1つのクレカを事業用とプライベート用で兼用している場合です。

経理処理としては、事業用をして使った場合には経費として落とす、プライベート用として使った場合には「事業主貸」で処理して損益計算に影響がないようにする、ときっちり区別すればいいのですが、付与されたポイントがどちらの用途で使った際に、付与されたものかを管理するのは面倒すぎ、というか無理でしょう!

【例】事業用に書籍5,500円を購入した際に、プライベート用の買物をしたときに付与された100ポイントを利用した場合

日付 借方 貸方 摘要
202x年10月1日 新聞図書費 5,500 未払金(クレカ) 5,400円 amazon 書籍代 
202x年10月1日 事業主借 100円 amazon ポイント利用 
※個人としては、通常のポイント付与であれば、所得に該当しないため申告不要。
抽選に当選など臨時・偶発的的に取得したポイントの場合「一時所得」に該当する可能性もあり

利用したポイントの源泉をきっちり管理できているのであれば、上記の仕訳のように「事業主借」で処理すればいいのですが、できていないのに「事業主借」で処理していると、税務調査の際、問題になる可能性があります。

なぜなら、上記の仕訳だと、経費は5,500円だけど、仮にポイントが事業用から生じたものだ判断されると、経費は5,400円(5,500円ー100円「雑収入と収入計上するべき」)で、事業主借で処理したほうが、経費が少し多く計上でき利益を圧縮できるからです。
とは言っても、金額的にたいしたことなければ問題ないとは思いますけど…。

ただ、そもそも、クレジットカードや電子マネー等を事業用とプライベート用で分けて使用していれば、上記のような問題も生じません。
経理処理はただでさえ面倒ですので、少しでもその処理をシンプルにするためにも、クレジットカードや電子マネー等は事業用とプライベート用はきっちり分けてご利用されることをオススメします。

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