【freee】事業用/プライベート用を自動計算する「家事案分」機能の使い方

目次

個人事業主の経理処理は「家事案分」が面倒

個人事業主(フリーランス)の経理処理で面倒なのが「家事案分」です。

個人事業主の場合、事務所兼自宅の家賃や光熱費、営業用兼私用の車両の購入代金やガソリン代・保険料などの維持費など、1つの取引がプライベート用と事業用にまたがるものが結構あります。

これらプライベートと事業の用途がまたがるもについては、その支払ったお金を全額、経費として落とすことはできません。そのため床面積、営業日数(時間)など一定の割合を使ってブライべート分と事業分を案分し、事業分だけを事業所得の計算上、経費として処理する必要があります。この処理を「家事案分」といいます。

貸方金額借方金額摘要
地代家賃125,000円普通預金125,000円事務所兼自宅賃料
事業主貸87,500円地代家賃87,500円家事案分

たとえば、事務所兼自宅(事業供用割合30%)の家賃を支払った場合には、上記のように処理します。

  • 支払ったお金の全額を、いったん経費(地代家賃)として処理する。
  • 経費(地代家賃)として処理した金額のうち、プライベート分を経費から除外(事業主貸)する。

処理方法自体は別に難しくないのですが、家事案分すべき支払が多い場合、毎回いちいち手動で処理するとなると結構面倒です。ただ、裏を返せば、処理方法をしっかりルール化しておけば、手間は確実に省けますし、経理処理のミスを無くすことができます!

案分割合を設定しておいて、毎月の面倒な処理をなくす手順

経理処理にルールを設定し、処理を自動化するのは、クラウド会計(freeeやMFなど)が得意とするところなので、機能が実装されていれば積極的に使っていきたいものです。

家事案分に関しては、freeeの場合、その名の通り「家事案分」という機能があるので、これを使うのもありです。例として、上記の自宅兼事務所の家賃の支払いを家事案分する手順をみていきましょう!

STEP
家事案分のルール設定する(事前準備)

まず、家事案分する取引対象を集計するためのタグ(品目名)を設定します。
【確定申告】メニューの【家事案分】を開き、「+新しい家事案分を登録」をクリックします。

勘定科目、品目名、事業利用比率を入力して、「保存」をクリックすれば設定は完了です。
※今回は集計するためのタグを「事務所家賃」としてみました。

STEP
家事案分をする取引を登録する(1/1~12/31の間の経理処理)

毎月、家賃の引落又は振込時の登録は、全額を「地代家賃」として登録します。
この際に、品目名に「事務所家賃」と品目名のタグを付けるのを忘れないようにしましょう

既に取引登録をしている仕訳についても、後から品目名を一括付与することでルール適用が可能です!

STEP
家事案分の処理をする(確定申告時)

登録時には、全額を「地代家賃」として登録しているので、プライベート分を振り替える(経費から除外する)処理が必要です。

【確定申告】メニューの【家事案分】を開くと、品目名に「事務所家賃」とタグ付した金額集計されているのがわかります(例題の場合、1ヶ月分しかタグ付していないので、1ヶ月分の12.5万円しか集計されていませんが、1年分同様にタグ付していれば、150万が集計されるはずです)

あとは、「再計算」ボタンをクリックすれば、事前に設定した事業利用比率に従って、金額を案分され、決算整理仕訳として、自動的に仕訳が登録されます。


いかがでしょうか?

事前の設定とタグ付(品目名)をしっかりしておけば、案分計算と家事案分の仕訳を自分でする手間が省けるのはメリットだと思います(家賃の場合は基本定額だから計算も楽ですが、光熱費など毎月金額が変動する取引の家事案分には特に効果あり)。

ただ、問題点としては、年度の途中は案分前で登録されるため、過大に経費が計上されている状態になります。つまり、経費が多く計上されている状態になるので、損益の着地点を見誤る可能性があります。

その問題点に対する対策としては、単純ですが、上記STEP3【家事案分の再計算】ボタンを毎月クリックして、都度、家事案分が損益に反映するようにしておくと良いでしょう。

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