ただただ好きな映画15選(後編)

「ただただ自分が好きなもの」という括り、映画編の3回目です。

いざ作品を選びだすと、「どれを選ぶのが僕らしいか?」と余計なことまで考えてしまい、なかなか選びきれませんでしたが、今回の3回目でとりあえずラストです。ただ、映画は好きなので、今後もたまには映画の記事をアップするのもありかなぁ、と思ってます。以下に前回の2回分のリンクも貼ってますので、よろしかったらご覧になってください。

・映画編の1回目はコチラ → ただただ好きな映画(1/3)
・映画編の2回目はコチラ → ただただ好きな映画(2/3)

特に順位は付けていませんが、どれも自信をもってオススメ出来る作品ばかりなので、観たことが無い作品がありましたら、是非ご覧になってみてくださいな(^_-)-☆

目次

『メメント』


発想が面白いという点で、一番衝撃的だったかもしれないのが、この映画。「バットマン」シリーズの監督も務めたクリストファー・ノーランの2作品目に当たるのか今作『メメント』。いかにも僕が好きなタイプのクライム・サスペンス映画なのですが、好きだからといって、謎解きが得意だという訳ではありません。むしろ、結構根が単純なため、恐らく製作者達が「観客はこういうふうに考えるだろう」と思った通りの反応をしてしまうタイプです。だからこそ、単純にこの手の映画が楽しめるのかもしれませんが…。

自分の妻をレイプし殺害した犯人を探しそうとする主人公レナード(ガイ・ピアース)は、わずかな掛かり(?)である「ジョン・G」というイニシャルを頼りに犯人を探しているのだが、実は彼は記憶障害のため10分間の記憶しか保持することができない。そのために彼が取った行動、それは、自分が得た手掛かりをメモに取り、ポラロイド写真として残し、さらには自分自身の体に刺青を彫り「記録」すること。断片的な記憶・記録をもとに、次第に真実に近づいていくレナードは、果たして犯人を突き止めることができるのか?

という内容なのですが、この映画をユニークなものにさせているのは、その展開です。サスペンス系の映画に限らず、時系列がバラバラに展開する映画は結構ありますが、「メメント」はラストからスタートに向かって10分おきに時間を遡っていく展開。それはまさに記憶が10分間しか持たない主人公の状態を観客である我々が疑似体験できるような仕組みになっています。当然、スクリーンを通して観ている我々は10分経過したとしても過去の記憶を持ったままなので、スクリーンの中のレナードよりは有利なはずですが、それでも展開が非常に早く、少し油断すると何がなんだか分からなる危険があります。正直、僕も本編を一回見ただけで理解できたとは言えません。
このDVDには、特典映像でストーリーを時系列順に編集した特別版が収録されているのですが、こちらを見てなるほどなぁ、と理解できた部分も随分ありましたし。

人の「思い出」(=メメント)や「記憶」そして「記録」という今作品の主題は、ライフログが盛り上がっている昨今には旬(?)な映画とも言えるのではないでしょうか?

『ブリジット・ジョーンズの日記』


同名の大ヒットベストセラー小説を映画化した作品。この小説がヒットしたということは、この小説の主人公、タバコも吸うわ大酒飲みだわ、関心事と言えばダイエットと恋愛という、ちょっと太めのアラサー独身女性ブリジットのキャラクターに共感した人が沢山いたからですよね。

でも、実際の世の中では、あまりブリジットみたいな女性を目指してる人に会ったことありませんよね。まぁ、メディアが作りあげた「細身崇拝」が影響しているのは明らかだと思うのですが。こればっかりは男の僕がどうこういうもんでもないですしね。よく「男は意外と痩せてるコよりも、ちょっとぽっちゃりのコのほうが好き」という話を耳にしますよね。僕もこれはその通りだなぁ、と思うのですよ。でも、結局それは男目線ですからね。
男の場合は、異性に好かれようとアレコレしますが、女性は異性に好かれるよりも、同性に好かれようとアレコレやってるように男の僕には映ります。

だからこそ、逆に意図的ではないにしても、ダメダメな部分を自分を曝せる勇気(?)がある主人公ブリジットが支持を集めたのかなぁ、と思ったりもします。

映画としては、ドリカム・スタイルの非常に王道のラブコメですが、前述したブリジット(レニー・ゼルウィガー)をはじめ、イケてるが頭はヌケてる上司ダニエル(ヒュー・グラント)、頭はキレるがいまいちイケてない弁護士マーク(コリン・ファース)の中心人物の3人のキャラが立ってるので、とにかく観てて気持ちいい。

特にヒュー・グラントのダメ男役ぶりは大好きです。彼の出演作品では他には、個人的に原作の大ファンである『About a Boy』、様々なストーリーがラストに向かって絶妙に絡み合う展開が見事な『Love Actually』などもお薦めです!
あ、当然、ブリジットの続編『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』も必見ですよ。

『アメリカン・ビューティー』


イギリスの劇作家サム・メンデスの映画デビュー作品。第72回アカデミー賞作品賞他、主要5部門を受賞した作品ではありますが、日本での公開当初は話題ほど大ヒットしていなかった印象があります(あくまで印象ですが)。郊外に一軒家を持つ現代のアメリカ人家庭の崩壊をシニカルな視点で描いた作品という触込みだったと思うのですが、そもそも一般的なアメリカ家庭の様子と言われても「ピン!」とこない日本人にとっては、リアリティがありません。

いつもはキレ者役を演じることが多い、ケビン・スペイシーが演じる冴えない中年親父レスターが「俺は一年以内に死ぬ。当然、今はそのことを知らないけどね…」というラストシーンを想像させつつ家族紹介をする語りから始まるのだが、この親父、チアガールをしている高校生の娘ジェーンのチアの踊りを観賞しにいったところ、なんと娘の友達アンジェラに一目惚れ(この時のポカーンとした顔がウケます)! 更にアンジェラが娘の部屋に泊まりに来た折「貴方のお父さんがマッチョだったら寝てみたい!」と話していたのを盗み聞きたことから、暴走開始。
リストラ勧告を受けていた会社を自ら退社した上に、上司を脅迫し多額の退職金をゲットし、マリファナを吸うわ、ファストフードでバイト始めるわ、憧れの車を購入しBGMに爆音でロックをかけてドライブするわ、挙句の果てにアンジェラとSEXするために筋トレをはじめるわ、まるで反抗期のティーンズのような生活を始めてしまう。一方、既に旦那に愛想を尽かしている妻のキャロリンは地元の不動産王と不倫を始め、娘は父とは違いまともな(?)反抗期で変わり者の彼氏と駆け落ちの約束をする。崩壊の一途を辿る家庭に再生の道はあるのか? ダメ親父レスターは念願叶ってアンジェラとSEXできるのか?

ひと昔は日本でも、郊外の庭付き一軒家をゲットするのは中流家庭の「夢」だったかもしれないですが、今や住宅バブルが弾けたアメリカは元より、「中流不在」気味の日本でもあまり現実味が無い話になってしまったため、今改めて観るとしたら、その設定に共感を覚えるのは公開当時より更に難しくなっているかもしれませんね。

しかし、何故か感情移入はしやすい映画です。もちろん、見る人により感情移入する登場人物は違うでしょうが。僕は、初めてこの映画を観たのは20歳ぐらいだったと思いますが、娘の彼氏リッキーよりは、親父のレスターに共感を覚えました。「麻薬」「銃」「同性愛」「不倫」「暴力」「SEX」といった重たいテーマのなか、惚れた女とヤルために筋トレを始め、実際にマッチョになってしまうその「分かりやすい」執念には苦笑しつつも、ホッとします。まぁ、自分の父親がこんなんだったら娘のジェーンのように嫌悪感を覚えるでしょうけどね。

あと、改めて映画のプロフィールを内容を調べてて驚いたこと、それは、小悪魔女子高生アンジェラを演じていたミーナ・スヴァーリが同い年だった(;゚Д゚)!

『ブラック・レイン』


昔から、スケールの大きい俳優さんのことを「あの人の魅力はテレビ画面には収まりきらないね!」などと言いますが、最近は家庭用のテレビも大画面に切り替わってきたので、その言葉も文字通りに捉えると意味が伝わりづらいかもしれませんね。もちろん、魅力的な俳優さんのことを喩えた表現なので物理的な大きさは関係ないのですが、最近のテレビに出演している俳優さんたちのなかで大画面に映されるに耐えうる魅力を持つ人は、年々少なくなってきているような気がします。こんなこと言うと「そりゃ、歳取ったからそう思うだけだよ!」と突っ込まれそうですが…。

本作品は皆さまご存知の通り、監督はリドリー・スコット、主演は米国の刑事ニック役にマイケル・ダグラス、ニックの相棒的な役回りとなる日本の刑事松本役に高倉健、アメリカから日本に護送される犯人の佐藤役に松田優作等という日米のスターが共演したアクション映画であり、松田優作さんの遺作となった作品です。

松田優作さんは本当に大好きな俳優さんの一人です。小学生の頃、夕方に再放送でやってた「太陽に吠えろ」や「探偵物語」で見たのが最初でしたが、その日本人離した風貌や、身のこなし、渋い声など画面を通して伝わってくる存在感に圧倒されたことを今でも憶えています。もちろん、演技の上手さで言えば優作さんを超える人はいるでしょう。ただ、演技を見た後に残るインパクトの強さで言えば彼の右にでるひとはそうそういないでしょう。

本作品でも本筋はマイケル・ダグラスが演じるアメリカのニック刑事と、高倉健さんが演じる松本警部補の友情や絆なのでしょうが、映画観賞後の残る印象が松田優作さんのシーンばかりです。「そんなこと言うならオススメ映画にするのはいかがなものか?」と指摘されそうですが、それでも推します。外国人監督が描いた日本にありがちな若干陳腐な設定や突っ込みたくなるような演出も、すべてアリに感じさせる俳優・松田優作の魅力を存分に堪能して下さい。

『男はつらいよ』シリーズ


好きな映画15選を決定する前に、ある程度本数を絞った段階で書き始めたため、残り本数が少なくなってくるにつれて、途中から思い出した作品等もあったため「あれをいれとけばよかった、これも紹介したかった」と紹介できる枠が少なくなってくるにつれ選択に迷いが生じてしまいました。正直、まだまだ好きな映画がたくさんあるので、今後もことあるごとに映画の紹介記事も書こうかなぁ、と思っています。

そんなこんなでラスト1本ですが、これは特別枠、サッカーオリンピック代表で言えばオーバーエイジ枠的な扱いで『男はつらいよ』シリーズを選びました。正月映画と言えば「寅さん」というほど日本人みんなに愛された国民的な映画であり、最も長い映画シリーズ(全48作)としてギネスにも認定されている「寅さん」シリーズ。父親が熱狂的な寅さんファンでビデオを全巻所有していたこともあってか、丁度「みつお」(吉岡秀隆さん[27作~])が映画の中で成長していくように、僕も小さい頃から「男はつらいよ」を見て大きくなりました。

「ど~おせ、オイラはヤクぅ~ザな兄貴ぃ~」

で始まるオープニング曲は今でも当然歌えます(^^♪

僕は昔バックパッカーでヨーロッパを旅した経験がありますが、僕が旅をするのが好きになったのも、恐らく「男はつらいよ」でこのシリーズで寅さんが日本全国を旅している姿を見てきたことが影響していると思います。

旅先でマドンナと出会ってはすぐ惚れてしまい、実家の寅屋に帰ってきてマドンナと再開、暫くはウキウキしながら楽しく暮らすも、最後は結局マドンナは別の男性と結ばれてしまい、最後には寅さんは失意と共に旅にでる……、

という毎回お決まりのパターンですが、渥美清さんの暖かな演技、そして、山田洋次監督を筆頭に映画を知り尽くした山田組によって作られる映像の「質」の高さは折紙付き! 日本人なら最低10作品は見るべし!

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