ただただ好きな映画15選(前編)

以前「リーリーリー」というタイトルでブログを運営していたのですが、その際、プロフィールを充実させるべく、各ジャンルで、「ただただ自分が好きなもの」という括りで、いくつか記事をアップしておりました。
当時のブログ自体は自分の不手際で、全部ぶっ飛んで消えてしまったのですが、幸いにも原稿自体は残っているのがありました。単純に当時の記事をアップするのもどうかとは思ったのですが、「ただただ自分が好きなもの」という括りで書いた記事は、今の自分に何某らの影響を与えてくれたものばかりでしたので、自分紹介という意味も含め、改めてアップすることにしました。

1発目は映画です。好きな映画は腐るほどあるのですが、その中でも厳選した15作品(本当はサッカー好きに掛けて11作品にしたかったのですが、絞りきれませんでした…)を紹介します。長くなりすぎるので、5作品ずつ、3回に分けることにしますが、まずは最初の5作品です。ちなみに順位は付けられないため順不同です。

目次

『Lock Stock & Two Smoking Barrels』


鬼才映画監督ガイ・リッチーが1998年に飛ばしたヒット作。
世間的には『スナッチ』の方が有名かもしれませんが、僕はこっちがダントツでお気に入り!
イギリス留学時に知り合った友達に薦められて初めて見て以来、何度見返したか分からないほどリピート率がダントツの作品です。

舞台はロンドンの下町、エディ、トム、ベーコン、シェフの若造4人組が、賭けで一山当てようとギャングの顔ハリーの経営する賭場に乗り込みが敢無く返り討ちに会う。このカード賭博で背負った莫大な借金を返済するために奔走するうちに、ストーリーは思わぬ展開へと発展、最後は全てが繋がる「あっ!」と驚くラストで終わる、クライム・サスペンス物語です。

僕は映画が終わったときに「こう来たかぁ!」と思えるような、ジャンルで言えば所謂サスペンス系映画が一番好きなのですが、本作は直球ど真ん中。登場人物のキャラ、ストーリー展開、映像、音楽、全てがツボにハマりました。
主役4人組は言うまでもなく登場人物はみんなキャラが立ってるし、なかでもエディの親父JD役のスティングの激シブさ具合と、取り立て屋ビッグ・クリス役のヴィニー・ジョーンズの壊し屋ぶりには悶絶必死。
あと、オープニングにベーコンが寅さんばりに捲し立てるテキ屋の口上を述べるシーンがあるのですが、昔、その場面を英語の勉強もかねて完璧に暗記した記憶があります。その後の人生で活用できてはいませんが、好きなシーンの一つです。

映画の大ヒットによりテレビ版でスピン・オフ『Lock Stock & Four Stolen Hooves』『Lock Stock & Spaghetti Sacuce』『Lock Stock & One Big Bullock』が作られており、どれも佳作ですが、まずは何より本映画版がオススメ!

『Focus』


井坂聡監督のデビュー作。
僕は浅野忠信さんが大好きなのですが、最初に彼を最初に知ったのは映画ではなく、雑誌でした。
私的な内容で恐縮ですが、10代後半の頃背伸びしてキレイめの服を好んで着ていたので、ファションの参考に『Men’s Non-No』を購入していたのですが、当時、浅野さんは結構短いサイクルで表紙を飾っていた印象があります。他には、木村拓哉、ARATA、伊勢谷友介辺りの人が良くでてた頃だったかなぁ。雑誌で見たときに何だか分からないですが一発でやられました、その存在感に。不覚にもここ数年間の出演作は全く見ていない(というか映画自体何を見ていなかった)のですが、多数ある彼の出演作のなかでも個人的に一番好き、というか衝撃を受けた作が『Focus』です。

盗聴マニアの青年・金村を取材していたテレビのデレクター・岩井のクルーは、盗聴機器を積んだ金村の車に乗り込み盗聴の手法について取材を続けるうちに、たまたま暴力団関係の通話を傍受し、拳銃を駅のロッカーで受渡す計画を知ってしまう。危険を察知し嫌がる金村を後目に、スクープに湧く取材クルー達は、金村を言いくるめ事実を確認しに行き、実際に拳銃を発見してしまうのだが、この拳銃を発見したことが引金になり、取材はとんでもない展開へ…、というサスペンスものです。

展開だけでもツボにはまる作品なのですが、当時、僕は大学で社会学部で新聞報道について勉強していたこともあり、「事実をそのまま伝える」というより「事実が演出により創り上げられてしまう」報道・ドキュメンタリーの製作過程の暗部が描かれた主題にも興味がありましたし、何より浅野さんの演技が尋常じゃない。本編1時間そこそこの短い映画で、途中まではのんびりと見れるのですが、ある時点から衝撃のラストまでの浅野さんの豹変ぶりに、恐らく口はポカーンと開きっぱなしで画面を一点凝視になるはず。
SEXシーン他、生々しい場面が多数あるため、万人にお薦めできる映画ではありませんが、それでもすべての人にお薦めしたい映画です!

『いまを生きる』(原題:Dead Poets Society)


音楽に関しては昔ほどイケてる邦題を付くことが少なくなりましたが、映画に関しては、今なお「邦題」の善し悪しもヒットの一要因になっていると思います。その点で言えば、今作品の邦題はインパクトのある良タイトルの1つに挙げられるのではないでしょうか?

全寮制の名門進学校に赴任してきたロビン・ウィリアムスが演じるキーティング先生が、親の期待や価値観に縛られながら『今』を無難に生きている優等生達に、型破りな授業を通して『将来』ではなく『今』を自分の意思で自由に生きることの大切さを伝えていくヒューマンドラマ。

感動のラストシーンはあまりにも有名ですよね。
僕が初めてこの映画を観たのは、中学3年生の卒業間近でした。ほぼ通常の課程も終わっていたため、担任の先生が是非みんなに観てもらいたい映画ということで、クラス全員で鑑賞しました。その担任の先生は金八テイスト(?)の熱い先生だったので、今作をセレクトしたのも分かりますが、正直当時はそれ程感動したという訳ではありませんでした。普通の中流家庭に育ち、普通の公立中学に通い、普通にそこそこ勉強もスポーツもでき、自分の思い通りに自由に生きていたつもりだった当時の僕には、この優等生達の苦悩を理解するには境遇が違いすぎたのでしょう。
しかし、その後事あるごとに観ているうちに、今作の魅力がじわじわと感じられるようになってきました。現在、30歳40歳を過ぎた今、僕自身が苦悩する内容と、映画の中の10代の生徒達が苦悩する内容とは当然異なります。しかし、「自由」を求めもがくという核の部分は、今になっても変わらないような気がします。何歳になっても観たい良作です。

『Blues Brothers』


ブラック音楽好き、特にスタックスのボックスセットCDを買ってしまうようなサザン・ソウル好きにはたまらないのが今作。というか、別に興味が無くてもアクション映画的な視点で面白く鑑賞できる作品だと思います。

映画はシカゴ近郊の刑務所の出所シーンから始まる。出所したジェイクと彼を迎えにきた弟のエルウッドは、まず出所の挨拶のため彼らを育ててくれた孤児院に行った際、院長から孤児院が5000ドルの税金を払えず立ち退き間際であることを知った。何とかしてこの危機を救いたいと思う兄弟であったが如何せん彼らには金が無い!そこでおもいついたのが昔の組んでいたバンドを再結成して一儲け。しかし、そのミッションの遂行過程には、様々な困難が…、というストーリー。

もちろんストーリー自体も面白いのですが、何よりも登場人物が豪華すぎます。その度に「おぉ、JBだ!」とか「やっぱダックダンのベースはいいなぁ!」とか「なに、ここでレイ・チャールズが!」とか、突っこみどころが満載。ざっと挙げるとミュージシャンではジェームズ・ブラウン、キャブ・キャロウェイ、アレサ・フランクリン、ジョン・リー・フッカー、レイ・チャールズなど、女性陣では「スター・ウォーズ」のレイア姫役でブレイクしたキャリー・フィッシャー、や今映像で観ても可愛らしいミニスカ女王ツイッギー、さらにはあのスピルバーグ監督までがチョイ役で登場してたりと美味しすぎ。  JB命の僕としては、JBが牧師役で「Do you see the light?」と説教しながら歌うシーンはもちろん外せないのですが、ジョン・リー・フッカーがストリートで歌うシーンがなにより圧巻。めちゃくちゃカッチョいいです。
途中警察に追われ迷い込んだショッピング・モールでの店を次々と破壊し尽くす場面とラストのシカゴ市内で100台以上の警察車両が空に舞い、追突し、大破していく壮絶な場面の両カーチェイス・シーンもスケールがでかいです。日本の西部警察のレベルではない壮大さには笑うしかないですね!
とにかくスカっとしたければ今作品を観るべし! 気に入った方はそのまま続編『ブルースブラザーズ2000』へとお進みくださいませm(_ _)m

『SAW』


2002年に1作目が公開し大ヒット後、2010年にファイナルを迎えるまで計7作品続いた大ヒットホラー作品。ホラー作品は好きな人嫌いな人が分かれると思いますが、僕は興味本位で観て後で後悔するタイプです。基本的に性格がビビリなので、ホラーとか見てしまうと夜寝るとき電気消すのが怖かったり、シャワーを浴びるときに後ろから襲われるのではないかと思わず後ろを振り返ってみたりしてしまいます。
でも、ホラー映画って見てしまうんですよねぇ。そんなホラー作品の中で、衝撃度で好きなホラー映画を1つ選ぶとしたら『SAW』を選びます。特に、『SAW』という映画の予備知識がない状態で見た1作品目がやはり一番衝撃的でした。それは、それまでアメリカのホラー映画に対する概念が一気に吹っ飛んでしまうほどでした。本編は時に目を背けたくなるほどエグい映像が満載なのですが、サスペンス系特有の謎解き要素がストーリーのあちこちに散りばめられているため好奇心が恐怖心を上回り終始画面から目を離すことができません。
映画の性質上、ネタバレになると面白さが半減してしまうためストーリーについては語りませんが、僕が一番『SAW』に惹かれたのは、その終わり方です。別にホラーに限ったことではなく、というか映画に限ったことでもなく、あのようなエンディングを迎える作品には、それまで殆ど出会ったことがありませんでした。
最後にちょっこっとだけ言わせてもらうと、『正義』『悪』といった概念は人により違うので、その受取り方も人それぞれだと思いますが、『最後に○○が勝つ』という展開にスカっとした感情すら覚えます。

つづく!

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