融資が「通りやすい」業種・企業状況・時期はあるか?

事業者から金融機関に対するよくある質問に「融資が通りやすい業種」「融資が通りやすい企業」「融資が通りやすい時期」とはどういうものか、というものがあります。

目次

融資が通りやすい「業種」

この質問は本当に多いのですが、結論から言うと「融資が通りやすい業種」はありません

金融機関は「業界」で見るのではなく、個別の企業の内容を見て審査の判断をします。業種で判断することはありません。たとえば衰退産業の業種は融資が通りにくいと考えがちですが、決してそんなことはないのです。

衰退産業でも、その業種が存在している限りは世間から求められ、経営は続いています。

「出版」「ブライダル」「アパレル」「テレビ」「旅行」「士業」などがしばしば例に挙げられますが、なかには大いに稼いでいる企業があり、利益を出せている企業は融資を通せます。

一方、成長産業の業種だからといって、バンバン融資が受けられるわけではありません。

利益を出せない企業の融資は通らないのです。衰退産業でも、「勝ち残るための材料」を持っていれば融資の可能性が高まるのです。

融資が通りやすい「企業」

融資が通りやすい企業は、言わずもがな、「業績がよい企業」です

業績が芳しくない企業は基本的に融資が下りにくいものですが、それでも融資の可能性を高めることはできます。それは、「積極的に情報を提供する企業」になること。

金融機関には、「顧客の情報量と融資の可能性は比例する」という格言があります。

顧客の情報が多ければ多いほど「貸せる理由」や「滞りなく返済してもらえる根拠」を把握できるため、担当者は「通る融資稟議書」を書きやすくなります。

事業者の側から十分な情報を積極的に提供できれば、仮に担当者が優秀でない場合でも、上司のフォロー等で「通る稟議書」を完成させることができます。

業績が芳しくないのであれば、金融機関に対して積極的に情報提供を行うことを心懸けたいですね!

融資が通りやすい「時期」

融資が通りやすい時期は、2つあります。

  1. 8月に融資申込み ⇒ 9月に実行
  2. 2月に融資申込み ⇒ 3月に実行

金融機関には「仮決算月(9月)」と「決算月(3月)」があり、多くの金融機関は半期ごと(4月~9月/10月~3月)に各支店や各担当者に対する査定を行っています。

その査定のことを、一般的に「業績評価」と言います。

この業績評価の結果次第で査定内容が変わるため、金融機関の人間は「仮決算月(9月)」と「決算月(3月)」の数字に強くこだわります。

金融機関としては、融資実行のタイミングは月末より月初のほうが成績上たいへん助かるため(平残アップにつながるから)、2月初旬~中旬まで/8月初旬~中旬までに融資を申し込んだ案件は通りやすい傾向にあります

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