
金融機関にとって「いいお客様」とは?
みなさまの会社(事業)にとってお得意様とは、どんなお客様ですか?
- 定期的に仕事依頼してくれるお客様
- 金額の大きな仕事を依頼してくれるお客様
- 利益率の高い仕事を依頼してくれるお客様
- 売上全体に占める割合が大きいお客様
いずれにしても、自社(事業)にとって、利益をもたらしてくれる会社ではないでしょうか?
そのようなお得意様に対しては、多少の無理難題があったとしても融通を聞いてあげたり、色々と配慮してあげることがあると思います。
これは、銀行でも同じです。
銀行は、集めたお金を、融資して得る利息が収入源のひとつです。
そのため、融資金額が大きな融資先はもちろんですが、利率が高い融資先も融資金額に対して効率よく利益を得ることができるため、金融機関にとっては「いいお客様」ということになります。
「いいお客様」度をはかる経営指標①「預貸率(歩留率)」
そこでひとつ、知っておいてほしい経営指標があります。
それは、会社(事業主)の返済余力を示す指標で「預貸率(歩留率)」と呼ばれているものです。
預貸率(歩留率)(%)=預金/借入金×100
会社が金融機関に預けている預金と、金融機関から融資を受けている借入金の割合で算出されます。
上記の例をご覧いただければお分かりになると思いますが、会社が金融機関に預けている預金が、金融機関から融資を受けている金額より多ければ、預貸率(歩留率)は100%を超えます。
100%を超えている状態であれば、万が一のケースでも融資した金額を預金残高で回収できるので、銀行にとってはリスクが少ない会社ということ。つまり、銀行にとっては「評価が高い会社=いいお客様」ということです。
「いいお客様」度をはかる経営指標②「実質金利」
もうひとつ、預貸率(歩留率)とも関係がある、実質金利についても押さえて押さえておきましょう。
実質金利の計算式は以下のようになります。
実質金利=(借入金利息ー預金利息※)/(借入金ー預金)×100
※現状、預金利息は超低金利でほぼ影響がないので、計算式から省いてしまってもOKです!
借入をする際の金銭消費貸借契約書に記載されている金利ではなく、借入金と預金の差額である実質借入額に対する金利が何%になっているか、が上記の計算式でわかります。
借入金 | 金利 | 利息 | 預金 | 預貸率 | 実質借入額 | 実質金利 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A銀行 | 3,000万 | 2% | 60万 | 2,500万 | 83% | 500万 | 12% |
B信金 | 1,000万 | 2% | 20万 | 300万 | 30% | 700万 | 2.8% |
契約上の金利は同じだとしても、実質金利を計算してみると、金利に結構な違いがでることがあります。
預貸率(歩留率)と実質金利は関連があり、預貸率(歩留率)が高いと、実質金利も高くなりますので、借入をした金融機関に預金を多く預けている会社は、金融機関側からみれば、回収リスクが少なく、効率よく利息が取れているいいお客様になっている可能性があります(会社側からすると、損をしていると感じるかもしれませんが)。
ただ、冒頭にも記載しておりますが、銀行にいいお客様と思われることは悪いことではありません。いいお客様と思われていれば、それを材料に、追加融資の打診や金利の交渉の際に使える可能性があるからです。。
そのため、特にメインバンクの預貸率(歩留率)と実質金利は高い状態をキープしておくことをおすすめします。
そのための対策としては、以下のような方法があります。
- メインバンクを売上関係の決済口座として使用する
預金残高は増えれ預貸率は上昇します。銀行側からすると、決済による手数料収入を得ることもできる。 - 公庫融資の預入口座はメインバンクにする
公庫には預金口座がないので、公庫融資の預入をメインバンクにすれば、預貸率は一気に上昇します。