
金融機関との取引では、決算書の提出は毎年必ず行う、大切なやり取りの一つです。
決算書は数字だけで評価されるものではありません。提出の仕方や前後の対応によって、同じ内容でも受け取られ方は変わります。
決算書提出時に経営者が押さえておきたいポイントを整理します。
提出はできるだけ早く行う
金融機関が重視しているのは、決算書の内容だけではありません。どれだけ早く提出されるかという点も、重要な判断材料になります。
提出が遅れると、数字に大きな問題がなくても、経営の状況をきちんと把握できていないのではないか、という印象を与えることがあります。
税務申告が終わった後※は、できるだけ早く決算書を提出することで、経営状況を把握し、金融機関とのやり取りを大切にしている姿勢が伝わります。
決算書には解説資料をつける
決算書をそのまま担当者に渡すだけでは、金融機関は内容を一から読み取る必要があり、理解に時間がかかります。
そこで有効なのが、決算書に簡単な解説資料を添えることです。売上や利益が増減した理由、今期に発生した一時的な要因など、伝えたいポイントに付箋を貼ったり、ラインマーカーで印をつけたりするだけでも、重要な点が伝わりやすくなります。
すべてを詳しく説明する必要はありません。要点を示すことで、金融機関との対話もスムーズに進みます。
悪い数字ほど、先に説明する
赤字や利益率の低下など、気になる数字がある場合、それを隠したり、あえて触れずに済ませたりすると、金融機関はかえって不安を強めます。
数字の良し悪し以上に重視されるのは、経営者が状況をどう受け止め、説明しようとしているかという姿勢です。
とくに大切なのは、悪い点ほど先に説明することです。なぜその数字になったのか、今後どのように改善していくのか、それが一時的なものなのか構造的な課題なのかが整理されていれば、決算内容が厳しい場合でも、融資の話が前向きに進むことは珍しくありません。
決算書は、提出後の情報提供までがセット
決算書は、一度出して終わりというものではありません。金融機関が重視しているのは、決算後の状況がその後どのように推移しているかです。
提出後に業況や受注状況、資金繰りに変化があった場合は、簡単でもよいので情報提供を行うことが大切です。
加えて、毎月の月次事業報告を通じて売上や利益の動き、事業の進捗を共有していけば、金融機関は会社の状況を継続的に把握できます。
決算書は、月次報告とあわせて活用することで、金融機関との対話を深めるための起点になります。
決算書は、提出すること自体が目的ではありません。どのように伝え、提出後にどのような情報提供を続けていくかによって、金融機関との関係や評価は大きく変わります。
日頃の対応を少し見直すことが、信頼の積み重ねにつながります。




