会社名(商号)を考える前に押さえておきたいルールとは?

目次

会社名は法務局に登記することにより正式な名称となる

会社設立をする際には、当然、会社名を決めますが、人間の赤ちゃんが生まれたら出生届を提出して名前を届けでることが定められているように、会社名も法務局に登記することにより正式な名称となります。

この登記した会社名のことを「商号」といい、公序良俗に反するものや、業種の異なるものを商号に入れてはいけないなどの規制はあるものの、基本的に自由に決めることができます。

ただ、法務局に登記をするにあたっては、いくつかのルールがあります。

会社名(商号)は、会社の顔となるものですので、起業の想いをこめて会社名を決めることが多いと思います。せっかく熟慮を重ねた会社名が登記の段階で受け付けてもらえない、なんて事態にならないためにも、事前に商号についてのルールは押さえておきましょう。

「株式会社」「合同会社」等の法人種別は、必ず日本語表記で入れる

商号の前か後ろに「株式会社」等の法人種別を日本語でいれる必要があります(いわゆる「マエカブ」「アトカブ」ってやつです)。

「Co.Ltd.」「Inc.」「LCC」などの英文表記を見かけることもあると思いますが、これら英文での表記、略式表記では登記ができません。海外の取引先があるなどの都合上、英文表記をする場合には、その旨を定款に定めておきます

(商号)
第1条 当会社は、株式会社●●と称し、英文では●●Co.Ltd.と表示する。

ちなみに、一般的に使用される英文の表記、略式表記は以下の通りです。

    表記略式表記読み方商号(英文表記)の例
株式会社、有限会社
 Company LimitedCo., Ltdカンパニー・リミティッドイオン株式会社
(Aeon Co., Ltd)
 IncorporatedInc.インコーポレイテッド楽天株式会社
(Rakuten, Inc.)
 CorporationCorp.コーポレーション旭化成株式会社
(Asahi Kasei Corp.)
 kabusiki KaishaK.K.カブシキカイシャ昭和電工株式会社
(Showa Denko K.K.)
合同会社
 Limited Liability CompanyLLCリミティッド ライアビリティー カンパニーユニバーサルミュージック合同会社
(UNIVERSAL MUSIC LLC)

登記で使用できる文字は決まっている(記号を使う場合は要注意)

登記で使用できる文字は、以下に限られています。

【登記で使用できる文字】
・漢字
・ひらがな
・カタカナ
・ローマ字(大文字及び小文字)
・アラビア文字(0 1 2 3 4 5 6 7 8 9)
・一定の記号(6種類)
「&」「’」「,」「-」「.」「・」

漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、アラビア文字が使用できれば、たいてい考えうる会社名はカバーできると思いますが、記号については上記の6種類しか使えせんので、ご注意ください。

同一の商号は、同一市区町村はOKだけど、同一住所はNG

会社名(商号)については、以前は、同一市区町村でかぶったら登記ができませんでしたが、現在は、商業登記上、同一市区町村内でも、同じ会社名(商号)で登記は可能です。

ただし、同一住所で同じ会社名(商号)での登記はできません
つまり、同じ住所であるマンション、シェアオフィス、バーチャルオフィス内で同じ会社名(商号)の会社が既にある場合には、登記ができません。可能性はほぼ無いと思いますが、会社設立時に、事務所や店舗を借りるのであれば、念のため確認はしておいた方が良いでしょう。

国税庁の「法人番号検索サイトを使えば、商号又は名称、所在地、その他の条件を入力するだけで、該当する法人を検索することができます。登録必要なく、無料で使えますので、会社名の候補が挙がったら、同名の会社が存在するか、一度検索してみてはいかがでしょうか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次