確定申告(会計)ソフトを使った青色申告。正しい帳簿を作成するためにデータ入力が必須の5項目とは!

帳簿の記載要件

目次

帳簿のつけ方(会計ソフトへの入力内容)にも実はルールがある

フリーランス(個人事業主)の方は、「面倒だな!」と思いつつも、確定申告のために、日々、ソフト(アプリ)を使用して、データ入力をされていることでしょう(その苦労、わかります!)。
確定申告期限ギリギリにまとめて1年分の方もいるかもしれませんが…

この面倒な手間をかけてまで青色申告をするのは、以下のような特典があるからこそです。

青色申告特別控除 65万円または55万円を所得から控除できる
青色事業専従者給与 親族に対する給与を経費に落とせる ※あらかじめ届出が必要
損失繰越しと繰戻し 過去3年間の損失を繰越す、又は前年分の所得税の還付を受ける
少額減価償却資産の特例 30万未満の固定資産を一括経費処理できる

ただ、特典を受ける見返り(?)に、 仕訳帳や総勘定元帳、現金出納帳などの「帳簿」をつけて、作成した「帳簿」を保存し、さらに、その「帳簿」作成の元となる請求書や領収書等の「書類」を保存しておく必要があります。

この帳簿の作成は、確定申告ソフト(会計ソフト)を使ってデータ入力をしていれば、自動的にデータが連動していくつかの帳簿が作成できてしまうので、帳簿の作成自体を忘れるという事態はおきません。ただ、その帳簿が正しいルールに従って作成されていないと、青色申告の特典を受けられない、なんて事態になる可能性があります

そぅ、実は帳簿のつけ方はルールがあるんです!

帳簿に記載すべき内容とは?

帳簿のつけ方は法律によって決まっていて、フリーランス(個人事業主)の方に関係がある法律(所得税法、消費税法)では、それぞれ「次の内容を記載しなさい!」と定められています。

所得税法 消費税法
①取引の年月日 ①取引の年月日
②取引の内容 ②取引の内容
③勘定科目 ③課税仕入れの相手先の氏名又は名称
④金額 ④金額

※消費税法では、軽減税率の対象品目がある場合には、その旨の記載も必要です。

会社員時代、個人の立替経費を精算する際に、領収書と一緒に提出した経費清算書には「日付 金額 取引の相手先 取引の内容」を書いていませんでしたか?

経費清算書の例

経費清算書にそのような内容を書かかされていたのは、それらの記載内容が帳簿作成のために必要な情報だったからです。つまり、開業後は、それらの内容を自分でデータ入力していれば、正しい帳簿つけができていることになります。

実際に、会計ソフトには何を入力すればいいの?

では、実際に自分でデータ入力をする際には、何を入力しておけば大丈夫でしょうか?

所得税法、消費税法に共通する「①年月日」「④金額」と、所得税法「③勘定科目」は、そもそも入力しないと取引データ自体を登録できないので、意識しなくて入力モレは生じません。

問題は所得税法、消費税法に共通する「②取引の内容」と、消費税法「③課税仕入れの相手先の氏名又は名称」です。これらは、たいていのソフトでは「摘要欄」という項目に入力するのですが、入力をしなくても取引データ自体は登録できます。そのため入力がモレる可能性があります。

とはいっても別に難しいこともなく(面倒ではありますが)、「摘要欄」に「取引先+取引の内容」をまとめてデータ入力すれば大丈夫です。

なお、請求書やレシートに記載されている内容を一字一句、正しく記載しなければいけないというわけでもなく、取引先であれば、「株式会社」は省略しても構いませんし、「スターバックスコーヒー」を「スタバ」のように略称表記してもかまいません。

取引の内容のほうも、「ファイル、ボールペン、クリップ」などレシート通り記載しなくても、「ファイル他」と記載しておけば大丈夫です。

仕訳例

フリーランス(個人事業主)で消費税の免税事業者の場合は、消費税法は関係ないから「③課税仕入れの相手先の氏名又は名称」は必要ないのでは? と思われるかもしれません。
たしかにその通りですが、将来的に売上が伸びれば課税事業者になる可能性もありますし、2023年10月からスタートするインボイス制度に影響で、今後は、あえて課税事業者を選択する方もいらっしゃるかもしれません。

そのような将来に備えて、開業当初から、所得税法、消費税法どちらの要件も満たす帳簿のつけ方をしていたほうがよいと思います。

入力ルールは決めておいたほうがいい

上記の例のように、会社の種類(株式会社、有限会社)を省略したり、略称表記したりしてもかまいません。ただし、自社(自身の)入力ルールは決めておいたほうがいいです。

というのは、入力したデータをソフト上で検索する際に、同じ取引先、取引内容だったとしても「全角」と「半角」が違うと検索でで引っかからなかったり不都合が生じます。また、ソフトから仕訳データをエクスポートしてExcel等で分析する場合にも、集計しずらいと思います。

「検索」「データ分析」という点では摘要欄の記載内容については、下記のような入力上のルールは決めておいたほうがいいでしょう。

●取引先の名称、取引内容の記載順
例)相手先の氏名+(全角スペース)+内容
内容+(半角スペース)+取引先の氏名、etc

●取引先の前株、後株は記載するか? 省略するか? 略語を使うか?
例)スターバックスコーヒージャパン株式会社、スターバックスコーヒージャパン㈱
スターバックスコーヒージャパン、スターバックス、スタバ、etc

●カタカナ、英数字は全角を使うか? 半角を使うか?
例)アマゾン、アマゾン、Amazon、Amazon、etc

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