プロパー融資があれば、その10倍の保証付き融資を受けられる新制度「協調支援型特別保証制度」

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「協調支援型特別保証制度」とは

「協調支援型特別保証制度」は、以前、中小企業庁から公表された「25年1月以降の中小企業向け資金繰り支援の全体像」に記載されており、その続報が待たれていましたが、2025年3月14日に、同庁から、その詳細について発表がありました。

同制度の趣旨としては以下のように記載されています。

原材料の価格高騰、物価高、人手不足等の影響を受ける中小企業者に対し、金融機関のプロパー融資と保証付き融資を組み合わせることなどにより、金融仲介機能の一層の強化を図り、人手不足に対応するための省力化投資による中小企業の経営の安定や事業の発展など、多岐にわたる経営課題解決への取組を後押しする保証制度を3年間(2028年3月末まで)の時限措置として、開始します。

中小企業庁HPより引用
『物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業者に向けた新しい保証制度の取扱いを開始します』

この制度を活用することで、物価高や人手不足等の影響を受けている中小企業は、資金調達しやすくなることが期待されます。

「協調支援型特別保証制度」の利用要件

「協調支援型特別保証制度」を利用できるのは、以下のいずれかに該当する中小企業者です。

  • 申込金融機関から本制度による保証付き融資の実行と原則同時に本保証付き融資の実行と原則同時に本保証付き融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けること。
  • 申込金融機関の支援を受けつつ、自ら経営行動計画の策定並びに計画の実行及び進捗の報告を行うこと。

要は、保証協会の保証つき融資の「1割以上のプロパー融資」があれば、「その10倍」の保証協会つき融資に申し込めるということです。

たとえば100万円のプロパー融資をしてもらえる企業なら、協調支援型特別保証制度で1,000万円申し込めるということになります。

「協調支援型特別保証制度」の概要

「協調支援型特別保証制度」の概要は以下の通りです。

保証限度額2億8,000万円
保証期間一括返済の場合:1年以内/分割返済の場合:10年以内
据置期間運転資金:1年以内/設備資金及び運転設備資金:3年以内
担保必要に応じて
保証人必要に応じて(法人代表者以外の連帯保証人は原則徴求しない)
金利金融機関所定
保証料率0.45%~1.90%
取扱期間2028年3月31日まで
申込先プロパー融資を借りる金融機関経由で保証協会へ申込 

なお、保証料については、保証申込日に応じて、次の保証料補助率に相当する額が、国から補助されます(要件❷は、1/4相当)。

2025年3月14日~2026年3月31日の保証申込分1/2相当
2026年4月1日~2027年3月31日の保証申込分1/3相当
2027年4月1日~2028年3月31日の保証申込分1/4相当

過去記事にも記載しておりますが、プロパー融資は、本来、金融機関の立場からするとリスクが高いため、金融機関とお付き合いが浅いうちは、金融機関から提案を受けることはないでしょうし、企業側から提案しても断られることが多いです。

しかし、制度開始当初は審査が通りやすい傾向がありますし、比較的少額であれば、意外と協力してもらえる可能性はあるので、資金調達ニーズのある事業者の方は、一度、お付き合いのある金融機関のご担当者にお話しをしてみることをお薦めします。

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