会計データのチェック手順【最低限すべき4ステップ+α】

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人間もAIも完璧じゃないからチェックは必須

近年、freeeやマネーフォワードを筆頭にクラウド型の会計ソフトの台頭により「経理処理は以前より簡単になった」と世間的なイメージはあるかもしれません。

たしかに預金口座やクレカのAPI連携やAIによる仕訳学習機能により、楽になった点はあります。

ただ、データ連携もAIも完璧ではありません(もちろん人間もですが)。

なので、データ入力やデータ連携が完了したら、一定期間ごとに、その数字が正しいかどうか確認する作業は必須です。間違った数字を元に経営判断をしていたら、誤った選択をしてしまう可能性だってあり得ます

とはいっても「会計データの確認って何をすればいいのか分からない」という方向けに、最低限ここだけはチェックしておくべきというポイントをまとめてみました。

会計データのチェック手順【最低限すべき4ステップ】

STEP
日付の入力ミスがないか確認する(仕訳日記帳)

意外とありがちなのが、日付がぶっ飛んでいることです。

例えば、12月分迄データ入力が完了したのであれば、1~3月にはまだデータがないはずです。そこで、仕訳日記帳で未入力期間を選択して確認します。もし、何かしらの仕訳がでてきたら、日付を間違えています。
※データ入力完了月以降の分を先行して入力している場合は、問題なし!

経理処理は、たいてい現在より前の期間を処理しますが、会計ソフトでは、デフォルトで日付が現在の日付になっていることが多いため、うっかりしていると結構、日付を間違えます。

弥生会計「仕訳日記帳」、freee「仕訳帳」、マネーフォワード「仕訳帳」

STEP
月ごとの数字を比較して異常値がないか確認する(月次推移表)

次に、ざっくりと各科目の数字に異常値がないか確認します。
この確認は「月次推移表」で確認すると発見しやすいです。業種にもよりますが、ほぼ月単位で同じサイクルで進んでいくので、科目ごとの数字は大体、毎月同額になります。

推移表で他の月と数字を比較しながら確認していき、明らかに金額が多い又は少ない科目があったら、金額や勘定科目の選択ミスをしている可能性があるので、詳細を確認してみましょう。
※もちろんイレギュラーな取引もあるので一概に間違っているとは言えませんが。

弥生会計「残高試算表(年間推移)」
freee「月次推移」
マネーフォワードクラウド「推移表」

STEP
前年(前期)の数字と比較して異常値がないか確認する(前期比較)

次も、ざっくりと各科目の数字に異常値がないか確認します。
今度は前年同月と比較して異常値がないか確認します。これも、月別で比較するのと同じ考えで、会社の取引には時期ごとに特徴がある(繁忙期、閑散期など)ものなので、前年同月の数字と比較してみる、ミスを発見しやすいです。

もちろん成長期の会社(事業)であれば、売上も費用も明らかに増加していると思いますが、そのようなケースでは前期とと比較して差額や増加率が異常値でないかに注目してみるとよいでしょう。

弥生会計「残高試算表(月次・期間)※前期比較表示にチェック」
freee「試算表 ※前期比較、3期間比較をチェック」
マネーフォワードクラウド「前期比較」

STEP
科目の内訳ごとに残高が合っているか確認する(補助残高一覧)

順番的には、STEP2、3の前でも構いませんが、勘定科目(補助科目を設定している科目は、補助科目)ごとに残高を確認していきます。

ポイントは損益計算書(PL)ではなく、貸借対照表(BS)の科目の残高を確認することです。

  • 現金、普通預金 →実際の現金残高、通帳に記帳されている残高と一致しているか?
  • 売掛金、買掛金等 →取引先ごとに計上と入金・支払の消込がちゃんとされているか? マイナス残になっていないか?
  • 借入金、リース料 →返済予定表、支払予定表の残高と一致しているか?
  • 預り金 →源泉所得税、住民税、社会保険料ごとの計上と消込がちゃんとされているか? マイナス残になっていないか?

上記は一例ですが、会計データとは別の証ひょう(例えば、預金通帳とかカード利用履歴とか)で残高を確認するようにしてください。
「クラウド会計でデータ連動しているから確認しなくてもいい!」という考えは危険です。登録の仕方で残高がずれる可能性はあります!


最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、毎月確認していれば慣れてくるものです!

弥生会計「残高試算表(月次・期間)※補助科目を表示にチェック」
freee「試算表 ※取引先別のタグで確認」
マネーフォワードクラウド「残高試算表 ※補助科目を表示にチェック」

1ヶ月分なり、3ヶ月分なり、ひと通り経理処理が終わった段階で、最低でも、この4ステップは必ず踏むようにすると、完璧とは言わないまでも、単純なミスは確実に減らすことができます。 

会計データのチェック手順【状況によって確認すべきこと】

固定資産に増減があった場合

固定資産台帳に登録している資産の残高と、会計データ上の資産の残高が一致しているかどうかは、固定資産の購入、売却、除却などがあった月にはチェックしておきましょう。

消費税の課税事業者の場合

消費税の課税事業者の場合は、消費税区分(課税売上、非課税売上、課税仕入10%、8%軽減税率とか)に誤りがないか確認をしておきましょう。年間の仕訳数がそれほど多くなければ、事業年度(年度)で最後にまとめてチェックしてもいいかもしれませんが、慣れないと結構時間がかかる地道な確認作業なので、毎月チェックしたほうがいいかも(;^_^A

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