新設法人が最初に開設する預金口座は(開設までの日数が)早い・(手数料等が)安いネット専業銀行で十分です!

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新設法人が金融機関に口座を開設することが年々難しくなってきている

法人を設立する際には、関係取引先との決済等のため、設立後できるだけ早く、金融機関に預金口座を開設をする必要がありますが、法人口座の開設は、年々、ハードルが高くなってきています。

これは、比較的審査がゆるいと言われていた地元密着型と呼ばれる「第二地方銀行」「信用金庫」「信用組合」においても同様で、特に、事業実態を把握するのが難しい新設法人の口座開設は避けられる傾向にあることが原因です。

法人設立前後は、事業立上げ準備の傍らで、各所への手続きも同時進行で進めていく必要があるため、預金口座の開設に時間も手間もかけたくないのですが、「預金口座の開設」が意外な悩みの種になってしまうかもしれません。

そんななか、新設法人のミカタとなるのがネット専業銀行です。

ネット専業銀行とは、実店舗をもたず、インターネット上での取引を中心として営業している銀行を指します。主なネット専業銀行としては「GMOあおぞらネット銀行」「住信SBIネット銀行」「PayPay銀行」「楽天銀行」などが挙げられます。

ネット専業銀行と言えば、ひと昔前までは、手数料が低いのは魅力的ではあるものの、税金や社会保険関係の支払いや融資返済口座として使えないことが弱点でもあり、他の銀行で口座開設ができなかった際の代替手段としてネット専業銀行を選択するという、どちらかと言うと後ろ向きな選択肢でした。

しかし、近年はそれらの弱点を克服した銀行もあります。そして、なにより口座開設は、基本的に面談はなく、各種書類をアップロード又は郵送することで申込は完結しますし、新設法人に対する審査も実店舗型の金融機関よりはゆるいので、ひとまず口座を開設したいというニーズを満たしてくれるので、あえてネット専業銀行を選択するという前向きな選択肢になってきています。

対面での審査はなく、開設までの日数も他の金融機関より早い!

まず、インターネット専業銀行各行の開設までの流れと、開設までの日数をまとめました。

口座開設までの流れ開設までの日数
GMOあおぞらネット銀行1. 口座開設申込フォームへの入力
2. 事業内容申告・本人確認・書類提出
(アップロードor郵送)
3. 審査完了後、簡易書留郵便でログイン情報等を受取、
初期設定をし、利用開始
最短即日
※アップロードでの本人確認条件を満たした場合
住信SBIネット銀行1. 口座開設申込フォームへの入力
2. 本人確認(アップロード
3. 審査完了後、口座開設完了後メールにてログイン情報等を受取、初期設定をし、利用開始(カードは4~5営業日後)
最短翌営業日
※郵送口座開設の場合、2~3週間程度かかる
PayPay銀行1. 口座開設申込フォームへの入力
2. 必要書類提出(アップロードor郵送)
3. 審査完了後、簡易書留郵便にてログイン情報等を受取、初期設定をし、利用開始
最短3日~10日
楽天銀行1. 口座開設申込フォームへの入力
2. 申込書と必要書類提出(郵送)
3. 審査完了後、簡易書留郵便でログイン情報等を受取、初期設定をし、利用開始(カードは口座ログイン後に申込可)
通常1週間程度
※必要書類と申込書が楽天銀行に到着してから

基本的に各行とも、「HP上の申込フォームへの入力」と「必要書類のアップロード」(楽天銀行は郵送のみ)のみで申込が完了し、対面での審査はないので手間も時間も比較的かかりませんし、開設までの日数も即日~10日と、他の金融機関が1ヵ月程度要することを考慮するとかなり早いです!

申込方法の詳細につきましては、各行のHPをご確認ください!
・GMOあおぞらネット銀行 → コチラ
・住信SBIネット銀行 → コチラ
・PayPay銀行 → コチラ
・楽天銀行 → コチラ

口座維持費手数料なしは共通、振込手数料も他の金融機関より安い!

次に口座維持手数料(ネットバンキング利用料)と振込手数料を比較してみました。

振込手数料(上:当行宛、下:他行宛)口座維持費手数料
GMOあおぞらネット銀行無料なし
145円
住信SBIネット銀行無料なし
145円
PayPay銀行55円なし
160円
楽天銀行52円なし
150円(3万円未満)、229円(3万円以上)

口座維持手数料(インターネットバンキング利用料)は、各行とも無料です。他の金融機関では2~3千円ほどかかりますので、年間数万円の差額は結構大きいですね。

また、振込手数料も他の金融機関では330~660円(税込)ほどが一般的だと思いますが、それらと比較しても圧倒的に安いです。更に、例えばGMOあおぞらネット銀行では、設立1年未満の法人は、登記上の設立月から12カ月間、他行宛の振込手数料が毎月20回無料になる、創業期の法人には嬉しいサービスを実施しています。

税金・社会保険・公庫融資の支払い口座として使えるか?

これまで、ネット専業銀行がいまいち選択肢にはいらなかった理由のひとつは、冒頭にも記載しましたが、税金や社会保険料等の支払い(ペイジー、口座振替)に対応しておらず、また、公庫融資の引落にも対応していなかったことがデカいです。

税金や社会保険料の支払いのためだけに、わざわざ銀行の店舗まで足を運んで、窓口で振込手続をするのは、時間の無駄ですし、公庫の創業融資を検討している場合、ネット専業銀行が振替口座に対応していなければ、結局別の金融機関にも口座を開設しないといけませんし。

しかし、そんな弱点もネット専業銀行は克服してきています!

税金関係の支払い
(ペイジー)
社会保険料の
口座振替
公庫融資の
引落口座
経営セーフティ共済の口座振替
GMOあおぞらネット銀行
ダイレクト納付対応
住信SBIネット銀行
ダイレクト納付対応
××
PayPay銀行××
楽天銀行××

法人を設立後、すぐ納税が必要になることは稀ですが、役員報酬・給与の支払いがあれば、社会保険料の納付期限は毎月やってきます。その点、社会保険料の口座振替の設定ができるGMOあおぞらネット銀行がベストですが、他のネット専業銀行もペイジー(国税、地方税)には対応しているので、少なくとも金融機関の窓口まで行く必要はないです。

また、法人設立にあわせて創業融資を検討される場合、返済金の引落口座を指定する必要がありますが、各行とも対応しているので、その点でも安心ですね!

※ダイレクト納付とは?
ダイレクト納付とは、国税の場合はe-Tax、地方税の場合はeLTAXを利用して、事前に届出をした預貯金口座からの振替により、即日又は納付日を指定して税金を納付することができる電子納税の手段です。
ダイレクト納付を利用するためには、事前に手続きが必要です(国税は「ダイレクト納付利用開始届」地方税は「地方税共同機構ダイレクト納付口座振替依頼書」を提出します)。

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