
「Google Playのご注文明細」はインボイスの要件を満たしてない
大多数の法人・個人事業主は、業務関連で、何かしらGoogle関連の有料サービスを使用していると思います。それほど、Google関連企業は、影響力がある大企業ですが、グローバル企業であるが故に、日本人にとって分かりずらい点があります。その一つが、インボイス制度への対応です。
日本のインボイス制度は2023年10月にスタートし、もうすく丸2年を経過するため、制度開始当初から、試行錯誤を重ねながら、しっかり対応できている事業者が増えてきている反面、インボイス制度後に起業された事業者や、バックオフィス業務に人員をなかなか割くことができないような事業者は、制度に対する理解が不十分で、上手く対応ができていないケースも散見します。
例えば、今回のお題であるGooglePlayへの支払に関して、なんとなく「業務関連での支出を経費として落とすには、請求書や領収書などの書類を保存しとけばOKでしょ」との認識から、Googleから届くメールを証憑として保存している事業者もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに、一定の事業者(消費税の免税事業者、及び以下の要件に該当する事業者等)は、それでもOKです。
【インボイスを保存しなくても仕入税額控除が受けられる事業者】
◆基準期間の課税売上高が1億円以下または特定期間の課税売上高が5千万円以下の事業者
2023年10月1日から6年間、1万円未満(税込)の課税仕入れについては「帳簿のみの保存」で仕入税額控除の適用を受けることができます(いわゆる「少額特例」)
◆簡易課税制度を適用している事業者
簡易課税制度選択届出書を提出していている事業者で、簡易課税の適用がある事業年度については、インボイスの保存がなくても、仕入税額控除の適用を受けることができます。
しかし、一般の消費税の課税事業者が、仕入税額控除を受けるためには、メールで届く注文明細を保存しておくだけでは不十分です。

①適格請求書発行事業者の氏名又は名称
②登録番号
③課税資産の譲渡等を行った年月日
④課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(軽減対象税目である場合はその旨)
⑤税抜価格又は税込価格を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑥税率ごとに区分した消費税額等
⑦書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称※
※適格簡易請求書の場合は、不要
インボイス制度開始以後は、一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)の保存が必須なのですが、上記の注文明細メールは「①適格請求書発行事業者の氏名又は名称」が不明、「②登録番号」記載なし、「⑤適用税率」記載なし、「⑦書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」が記載なし、とインボイスの要件を満たしていません。
インボイスの要件を満たす請求書は「Google 支払いセンター」からDLできる
では、GooglePlay関連の支出については、消費税の仕入税額控除の適用を受けることはできないのでしょうか? もしくは、インボイスは何か別の方法で取得することができるのでしょうか?
結論としては、適格請求書(インボイス)は取得できます。それも、知っていれされすれば、何てことない手順で(笑)。
具体的には「Google 支払いセンター(Payments Center)」から適格請求書(インボイス)をダウンロードすることができます。

「ご利用内容」の履歴から該当の購入サービスを選択すると、右側に取引明細が表示されるので、「請求書をダウンロード」をクリックすると、任意の場所にファイルを保存することができます。

ダウンロードした請求書を確認してみると、キッチリ適格請求書(インボイス)の要件を満たしていることが確認できました。
【ダウンロードした適格請求書の保存する際の注意点】
当該取引は、電子帳簿保存法の電子取引に該当するため、基本的には、印刷して保存は不可となっていますので、電子データ(PDF)のまま、一定のルールに従って保存してください!
