中小事業者は狙い目!令和7年度も継続見込の補助金とは
「令和7年度 経済産業省関係 概算要求等概要」にて、R5年度補正予算として1,000億円が概算要求されている補助金があります。それは「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」と「中小企業省力化投資補助金」の2つです。
「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」等が、今後、廃止の可能性があるなかで、補正予算が概算要求されている両補助金は、2025年(令和7年)以降も継続される見込みが高いので、引き続き狙い目の補助金といえます。
しかし、そのうち「大規模成長投資補助金」のほうは、10億円以上の投資規模が補助対象(※1次公募採択者の平均投資額は54億円)となっているため、一般的な中小企業が行うことができる投資規模を考えると、正直、ハードルが高いです。
一方で、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を国が負担してくれる補助金である「中小企業省力化投資補助金」のほうは、補助対象、補助上限・補助率、申請方法などを考慮すると、中小企業にとってチャレンジしやすい補助金となっています。
「中小企業省力化投資補助金」で導入できる省力化に役立つ製品
この「中小企業省力化投資補助金」で導入できる省力化製品は、カテゴリ別にそれぞれ製品が登録されており、現時点で登録されている製品件数は168件あります。
製品カテゴリ | 登録製品数 | 製品カテゴリ | 登録製品数 |
---|---|---|---|
清掃ロボット | 6 | 印刷用紙高積装置 | 10 |
配膳ロボット | 2 | インキ自動計量装置 | 1 |
自動倉庫 | 3 | 段ボール製箱機 | 1 |
検品・仕分システム | 2 | 近赤外線センサ式プラスチック材質選別機 | 0 |
無人搬送車(AGV・AMR) | 11 | デジタル加飾機 | 0 |
スチームコンベクションオーブン | 83 | 印刷紙面検査装置 | 0 |
券売機 | 32 | 鋳物用自動バリ取り装置 | 0 |
自動チェックイン機 | 3 | 自動調色システム | 0 |
自動精算機 | 2 | 蛍光X線膜厚測定器 | 0 |
タブレット型給油許可システム | 0 | 自動裁断機 | 0 |
オートラベラー | 0 | 原材料自動計量混合搬送装置 | 0 |
飲料補充ロボット | 0 | トムソン加工自動カス取り装置 | 0 |
デジタル紙面色校正装置 | 0 | 印刷用紙反転機 | 0 |
測量機 | 1 | 5軸制御マシニングセンタ | 0 |
丁合機 | 2 |
サービス業、飲食業他、様々な業種で使える製品が登録されているので、自社の課題・ニーズに合わせて製品を選ぶことができます。例えば、以下のような活用イメージが想定できます。
- 飲食業×スチ-ムコンベクションオーブン(プログラム機能付き調理器具)
人手不足の解消のため、複数の料理を同時かつ大量に自動加熱調理可能となる。 - 宿泊業×自動清掃ロボット
旅館において、自動清掃ロボットを導入することで受付の人員を増強し、手続き迅速化・おもてなし等で顧客満足度向上させ、高付加価値化。 - 物流業×無人搬送車
倉庫に無人搬送車を導入することで、棚替え業務を省力化し、多くの受注をこなすようにすることで生産性を向上。
「中小企業省力化投資補助金」の補助上限額・補助率
この「中小企業省力化投資補助金」における補助上限額・補助率は以下の通りです。
補助対象 | 補助上限額 | 補助率 | |
---|---|---|---|
補助対象として カタログに登録された 製品等 | 従業員数5名以下 | 200万円(300万円※) | 1/2 以下 |
従業員数6〜20名 | 500万円(750万円※) | ||
従業員数21名以上 | 1,000万円(1,500万円※) |
あと、補助上限額や補助率の話ではないですが、補助金は、申請し、交付決定されてから、実際に補助対象資産を購入、補助金交付手続きを経て、やっとお金(補助金)が入金されるという流れになります。つまり、設備投資資金はどうしても先出しになるため、少なからず会社(事業)の資金は減少します。
「中小企業省力化投資補助金」は「事業再構築補助金」と比較すると補助上限額は低めではありますが、それでも一時的にそれなりに多くの資金が減少するのは資金繰りを考慮すると出来れば避けたいものです。
その回避策として、補助金・助成金の申請を検討する際には、金融機関からの融資もセットで検討することをオススメします。
なぜならば、金融機関からの融資において、担当者が稟議を通す上で「資金使途、返済資源、融資効果」が重要なのですが、特に「中小企業省力化投資補助金」については、資金使途が明確(導入する製品及び価格がカタログでわかる)で、融資効果が説明しやすく(省力化設備を導入は、人件費削減や生産性向上につながる実現性が高い)、返済資源も説明しやすい(人件費削減・生産性向上による利益向上+補助金自体が返済原資となる)ため、設備投資資金として稟議が通りやすいと考えられるからです。
「中小企業省力化投資補助金」の申請手続き概略
gBizIDとは、行政サービスで、ひとつのID・パスワードで、複数の行政サービスを利用できる法人・個人事業主向け共通認証システムです。各種補助金・助成金や公庫融資の申請などにgBizIDプライムへの登録が必要になるため、今回「中小企業省力化投資補助金」を申請するか、しないかは別として、予めIDを取得しておいて損はありません。
「GビズID」のHP ⇒ コチラ
公募要領や交付規程等には必ず事前に目を通し、そもそも自社(自身)が補助対象者になるのか、その他、申請要件、対象経費、スケジュール等を確認しておきましょう!
公募要領、交付規程などのダウンロードHP ⇒ コチラ
対象製品ごとに記載されている「販売事業者一覧」より販売事業者を選定し、掲載されているサポート窓口電話番号もしくはサポート窓口メールアドレス宛に連絡します。
電子申請システムにより販売事業者と共同で申請手続きを進めます。